ランドローバーが本格オフローダーのディフェンダーの新しい旗艦ハイパフォーマンスオールテレインモデル「ディフェンダー・オクタ(DEFENDER OCTA)」を発表。パワートレインには48Vマイルドハイブリッドシステムを組み込んだ4.4リットルV8ツインターボガソリンエンジンを搭載。足回りには新開発の6Dダイナミクスエアサスペンションやインテグレーテッドパワーブレーキシステムを採用。日本市場での当初の導入台数は220台
英国ジャガー・ランドローバー(JLR)は2024月7月3日(現地時間)、ランドローバー・ブランドの本格オフローダーに位置するディフェンダーの新たな旗艦ハイパフォーマンスオールテレインモデル「ディフェンダー・オクタ(DEFENDER OCTA)」を発表し、7月11日(現地時間)に英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2024で実車を一般公開した。
ダイヤモンドの八面体形状(octahedron)から着想を得た車名を冠し、力強さ、耐久性、そしてタフさとラグジュアリーさを主張するオクタは、ディフェンダー・シリーズのフラッグシップモデルとして企画。キャッチフレーズには“High-performance hero”を謳い、オンロードでもオフロードでも他の追随を許さない卓越した走破能力とパフォーマンスを発揮するモデルに仕立てた。
注目のパワートレインには、48Vマイルドハイブリッドシステムを組み込んだ4395cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジンを搭載。排気系には熱管理を最適化するとともに魅力的なエキゾーストノートを奏でるアクティブエキゾーストシステムを配備し、トランスミッションには専用セッティングの副変速機付8速オートマチックを組み合わせる。最高出力は635ps(467kW)、最大トルクは750Nm(ダイナミックローンチモード選択時800Nm)を発生し、0→100km/h加速は4.0秒を実現。最高速度は22インチアロイホイール+オールシーズンタイヤ装着車が250km/h、20インチアロイホイール+オールテレインタイヤ装着車が210km/hと公表している。
シャシー面については、オンロードでもオフロードでも比類ない走破能力、快適性、操縦安定性を実現した、ディフェンダー初採用の6Dダイナミクスエアサスペンションをセット。油圧連動型の6Dダイナミクステクノロジーは革新的なピッチ&ロールコントロールシステムを組み込み、オンロードでの優れた加速およびブレーキングとコーナリング時には車体を水平に近い姿勢で保ち、一方でオフロード走行時には4輪それぞれのホイールトラベルとアーディキュレーションを最大化して卓越したトラクション性能を発揮する。また、車高は通常モデル比で28mm高く、スタンスは68mm広く設定し、優れた最低地上高と安定性を確保する。一方、制動機構には新開発のインテグレーテッドパワーブレーキシステムを組み込んだブレンボ製ブレーキシステムを配備し、合わせて操舵機構にはステアリングレシオを通常モデルよりクイック化した電動パワーステアリングを採用している。
ドライビングモードとして、オンロードでのパフォーマンスを最大限に高めるダイナミックモードと、オフロードでの走行時の性能を最大化するOCTAモードを設定した点も見逃せない。モードはステアリングホイールに配した透明なシグネチャーロゴボタンで選択。どちらのモードでもキャビンが赤く照らされ、同時にパワーや横Gの数値などが見やすいようにスクリーンレイアウトが変化する。さらに、ディフェンダーの特徴であるテレインレスポンスの各モード(砂地、泥/轍、草地、砂利、雪、岩場に特化したキャリブレーション)や、ボンネット下の映像を車内中央のスクリーンに表示し視認できるClearSightグラウンドビューなども設定した。
エクステリアについては、最大で33インチ径のタイヤを組み込めるよう大型化したホイールアーチや、ボンネット下により多くの空気が流れるようにした独自のグリルデザイン、4本出しのアクティブエキゾーストシステムを組み込んだ新しいリアバンパー、グラファイト仕上げのアルミニウム合金フロントアンダーシールドを含む強靭なアンダーボディプロテクションを装備したことが訴求点。また、機械加工とサンドブラスト仕上げを行ったチタニウムディスクに、グロスブラックのダイヤモンドを刻印したOCTA専用の新しいシグネチャーグラフィックを配備する。ボディカラーはペトラカッパーとフェローグリーンという2つの新たな専用プレミアムメタリック仕上げのほか、カルパチアングレイ、シャラントグレイと合わせて全4色をラインアップ。すべてのカラーに光沢のあるナルヴィックブラックのコントラストルーフとテールゲートを配備している。
インテリアに関しては、新たなバーントシエナカラーのセミアニリンレザーにエボニーのKvadratテキスタイルトリムを組み合わせた仕様を標準装備。オプションでライトクラウド/ルナのUltrafabrics PUまたはエボニーのセミアニリンレザーを選択することもできる。また、岩石の中に入った状態のダイヤモンドのような表面処理を施したムーンライトクロームのディテールも設定した。一方、前席にはサポート性に優れたボルスターと一体型ヘッドレストを備えたパフォーマンスシートを採用。クラス最高レベルのSUBPACプラットフォームによりすべての感覚でサウンドが楽しめるボディ&ソウルシートも用意している。
なお、ジャガー・ランドローバー・ジャパンは日本市場におけるディフェンダー・オクタの当初の導入台数を220台に設定。ラインアップは通常モデルのディフェンダー・オクタ(2037万円)が130台、生産初年度のみの限定モデルのディフェンダー・オクタ・エディションワン(2224万円)が90台とする。エディションワンについては、フェローグリーンのボディカラーに20インチ鍛造アロイホイール+オールテレインタイヤ、チョップドカーボンファイバーのディテール、高機能ポリウレタンUltrafabrics PUおよびシームレスニット表皮のパフォーマンスシートなどを特別装備している。
文・大貫直次郎/提供元・CAR and DRIVER
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