歴史ある関西の中でも、とくに独自文化の色強い大阪南部から日々「怪談」を発信する海老氏に、宗教・オカルトの専門家・神ノ國ヲが戦後最悪のビル火災として知られる「千日デパート火災」に関する興味深い話を聞いてきたという。なんでも、とある商業ビルの鏡は事故の影響を鎮めるための結界として機能しているというのだ。

・海老氏へのインタビュー記事

――戦後最大のビル火災といえば……。

神ノ國ヲ:千日デパート火災、1972年5月13日の出来事ですから、もう半世紀以上前の話です。以前も少し紹介しましたが、今回、大阪の怪談に詳しい海老氏に話を聞いてきました。

――海老氏といえば、大阪怪談の?

神ノ國ヲ:実は海老さん、いま占い師をされていて、これがまた当たると大評判で。9月から店舗も出すようですよ。そして海老さんに案内されて現地取材へ行ったんですが、たしかに驚きましたね。

 千日デパート火災の跡地については所有者が何度か変わっているわけですが、今回、某店舗の中を確認してみて、その異様さに気づきました。要するに「鏡張り」なんですよ、ビル全体の内装に、その痕跡があるんです。

 海老氏いわく「あくまで噂やけどな、あの悲惨な火災のあと、どうしても不穏な噂が絶えんかった。従業員は毎日のように何かを目撃するし、客も鏡の中に入れた等、奇妙な現象を報告する。これはさすがにアカンいうて、そういうところに頼んだんや。そこで、従業員は何かを視るかもしれない、しかし客への影響は一切なくすと決めて、館内の壁面のほとんどを鏡張りにした。いまでもエスカレーターは鏡面仕上げになっとるで」。

【心霊】戦後最大のビル火災「千日デパート火災」後に張り巡らされた“鏡の結界”とは…?
(画像=提供:神ノ國ヲ,『TOCANA』より 引用)

――鏡面仕上げは昔のデザインでは?

神ノ國ヲ:私もそう思いました。しかし「たしかに昭和のデザインやねん。でもな、違うねん、この柱みてみ? ここを鏡張りにせなアカン理由あるか? 昔の建物やし、この鏡、全部特注サイズやで?」と。いわれなければ気づかないんですが、たしかにそうなんですよ。館内のいたるところに、不自然な鏡が張ってあるんです。普通に考えて、巨大な建物の内装全体を鏡張りにする費用は、デザイン・コストの面からいっておかしいんですよ。

 当然ですが巨大なビルを建てて、その内装を施すには経済合理性がいる。ところどころに見え隠れする全体を鏡張りにしていた痕跡は、明らかに異様なんですよ。

【心霊】戦後最大のビル火災「千日デパート火災」後に張り巡らされた“鏡の結界”とは…?
(画像=提供:神ノ國ヲ、『TOCANA』より 引用)

――つまり何かしらの結界だと?

神ノ國ヲ:ええ、その通りです。事実、当該ビルは内容に鏡張りを施した所有者になってからは、いわゆる幽霊騒ぎや目撃談は、ほぼほぼ無くなったそうです。もちろん従業員はいまでも何かみているのかもしれませんが、業務上、かん口令が出ているでしょうね。

 また興味深いことに、この件について知人の霊能者に確認してみたのですが、この霊封じのやり方は正解だそうです。かなり大規模なもので、相当な実力者がやったのだろうと言っていました。「鏡張り」の理由は、この世ならざる、人ならざるものに客個人を特定させないためだろう、と。つまり鏡面世界を現出させることで、幽世と現世の境目を曖昧にして、霊を混乱させることを目的にしたのだろうと。

 ちなみに火災の被害者の方が出るわけではないとも、その霊能者は言っていました。きちんと遺族の方々に供養されているので、その可能性は低い。むしろ戦後最大のビル火災の現場という暗い物語を利用しようとする何かが現れていたのだろう、と。

 ぜひ皆さんも大阪へいく際は一度現場を確認してみてください。もちろん都市伝説に過ぎませんが。しかし鏡面仕上げの柱は今でも実際に見られるのです。

文=神ノ國ヲ

提供元・TOCANA

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