いよいよ2024年1月から新NISAが始まる。投資上限額が拡充され、非課税期間も無制限となる。

新NISAにおいては、積立投資だけで堅実な資産運用を目指すアプローチもあるが、上限いっぱいまで無理に積立額を増やすことは、人によっては危険を伴う。

非課税で1,800万円の積立投資が可能だが…

新NISAでは、投資益に対する課税が行われない非課税保有限度額が1,800万円で、その枠のすべてを積立投資で利用することも可能だ。

「つみたて投資枠」は毎月10万円(年間120万円)が上限と設定されており、枠を最大限使って積み立てを15年間続けると、1,800万円の枠を積立投資だけで使い切ることができる。

そもそも、積立投資は堅実な資産運用のために向いていると言われている。なぜなら、「リスク分散」ができるからだ。一括投資をせずに投資するタイミングを分けるため、極端な高値掴みなどを避けることができる。

しかしだからといって、つみたて投資枠を無理に上限まで使うことにこだわるのは、人によってはリスクとなる。

理由1:同じ金額で積み立てを続けられないと、分散効果が落ちる

積立投資は、同じ金額を同じ頻度で続けるから、リスク分散の効果が高まる。あるタイミングで金額を増やしたり、逆に金額を減らしたりすると、リターンの安定性が下がる。

つまり、新NISAにおいて上限額いっぱいの月10万円で積立投資を始め、積み立てる資金が無くなって月10万円を拠出できなくなるとリスク分散の効果が落ちる。堅実な資産運用のためには、無理なく毎月積み立て続けられる金額で始めることが大切だ。