酒井高徳 写真:Getty Images

 ヴィッセル神戸J1優勝の立役者である元日本代表DF酒井高徳が、MFアンドレス・イニエスタの退団に言及。元スペイン代表選手が吉田孝行監督のもとで出場機会を減らしたことについて、VfBシュツットガルトやハンブルガーSV在籍時の経験を踏まえながら、自身の見解を述べている。

 イニエスタは2018年夏から約5年間にわたり神戸でプレー。2019シーズンに天皇杯優勝を成し遂げるなど、クラブ史上初タイトル獲得時のキャプテンとして歴史に名を刻んだ。しかし昨年夏に吉田氏が監督に就任して以降は出番を減らし、今年7月に退団。“脱バルサ化”、ハードワークが求められる戦術にフィットしなかったことが出場機会減少の背景とみられる。

 2019年8月から神戸でイニエスタとプレーしていた酒井は、チームメイトのMF山口蛍、FW大迫勇也、FW武藤嘉紀とともに、DAZN制作番組『フットボール・タイム』に出演。日本代表OBの内田篤人氏との対談で、話題がイニエスタに及ぶと「アンドレスから貰った知恵や知識がすごい沢山あるので。もちろん受け取ったものはいっぱいあったかなと思う。もちろん彼の存在は大きかった」と敬意を表する。

 ただ一方で「俺は海外でプレーしていた時にも、どんなに上手くてもチームに合っていなくて試合に出られない選手をいっぱい見てきた」と、ドイツでプレーしていた時の出来事に言及。「厳しい言い方をすると、チーム戦術が変わってきた時に(イニエスタの出場機会減少は)仕方ないと思っていた」

 「トッププレーヤーだけど、そんなことは色々なクラブでたくさんあることなので。『アンドレスが…』とかいうわけではない。チームとして結果が出たというところが、彼にとってはあまり良いことではなかったというだけの話」と、イニエスタの出場機会減少について手厳しいコメントを残している。

 また内田氏は、イニエスタの出場機会減少がチーム全体に与えた影響を質問。これには武藤が「(ちゃんと戦わないといけないというのが)優勝できた一番の理由だと思う。『アンドレスも(スタメンやベンチメンバーから)外れるんだ』みたいな。戦うこと、吉田監督が求めることをしなければ、アンドレスのようになるよという感じになった」と語った。