2009年11月、当時13歳だった匡志均くんが、中国重慶市巴南区にある古い倉庫小屋で亡くなっているのを両親が発見した。遺体発見時の服装から「赤いドレスの男の子」と呼ばれる未解決事件だ。
中国ニュースサイト「supchina」によると、匡志均(クアン・ジジュン)くんの遺体は手首に縄が掛けられた状態で天井の梁から吊るされ、両手両足はちょうど12の結び目をつけた特殊な巻き方で縛られていたという。奇妙なことに、両足の間には重りが吊るされ、額に小さな穴が開けられていたが、その他には目立った外傷はなかったそうだ。
警察の調べでも、足跡や指紋、匡志均くんが抵抗した痕跡は発見されず、盗まれたものもなく、さらに気味が悪いことに、匡志均くんの遺体には女性用の黒い水着が着せられ、その上には匡志均くんの妹のものと思われる赤いドレスも着せられていたというのだ。また、水着の下には2つの黒い服が丸められて入れられており、胸パッドのように使われていたという。
当時の報道によると、匡志均くんの母親は数日前から、黒い服に身を包んだ背の高い男が、自宅の裏口から侵入してくる不吉な夢を見ていたと語っていたそうだ。母親は村を離れて働いていたが、夢のことが気にかかり、夫とともにすぐに自宅に戻ったところ、息子の変わり果てた姿を発見したのだという。
また、父親によると、匡志均くんが小屋の掃除をすると言って以来、電話に出なくなったことも急遽帰宅した大きな理由だという。実はこの時、学校も欠席していたそうだが、インフルエンザで欠席する生徒が30人もいたため、匡志均くんの欠席を教師が見逃していたのだという。
■カルト宗教の儀式に利用された?
あまりにも不審な点が多い事件だが、2009年12月9日付の「Shanghai Daily」によると、警察は中国の超常現象番組が好きだった匡志均くんが、その真似事をして事故死したと結論付け、他殺や自殺の可能性はないとし、早々に捜査を切り上げたという。もちろん、両親は警察の説明に納得しなかった上、地元住民からは不審人物の情報が寄せられていたにもかかわらず、警察は捜査の再開を拒否したそうだ。
警察の不審な対応に対し、中国ネットでは、匡志均くんの死を巡ってさまざまな憶測が飛んだ。その中でも最も奇妙なものが、中国のカルト集団の儀式のために殺された、というものだ。それによると、匡志均くんは、道教の一派で数百年に一度行われるという禁断の儀式の標的になり、养小鬼(ヤンシャオグイ)にされたというのだ。养小鬼とは殺害した子どもを式神として復活させる道教の禁術だという。
そう考えられる理由はいくつかある。まず、匡志均くんがちょうど13歳と13日で殺害されたこと、さらに、道教における五大元素(木、火、土、金、水)が遺体に残されていたことだ。縄がくくりつけられていた梁が「木」、赤いドレスが「火」、床の土ぼこりが「土」、鉄製の重りが「金」、黒い水着が「水」だというわけだ。また、額の穴は肉体と魂を分割するために空けられたという。
その他にも、匡志均くんは女装趣味とマゾヒズム的な性的嗜好を持っており、窒息プレイ中に亡くなったという説や、匡志均くんの母親の前夫とその子どもが復讐のために匡志均くんを殺害したとする説も挙がったが、真相は依然不明である。
2010年には、中国せっ江省に住んでいた5歳の女の子が電線から吊るされ殺害される未解決事件が起こっており、匡志均くんの不審死事件と関連付ける動きもあったが、当局はこの事件も事故として処理したそうだ。
一体、匡志均くんの身に何があったのか……。もし本当にカルト集団の儀式のために殺害されたのだとすれば、今後も第二、第三の犠牲者が出てくる可能性もある。一刻も早い事件解決を願ってやまない。
参考:「Shanghai Daily」、ほか
※当記事は2018年の記事を再掲しています。
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提供元・TOCANA
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