Empathy(共感、私は「思いやり」と表現することが多い)に関しては、予想されたことだが、「人」の関与が重要視される。信頼性に関しても「人」が関与した方が高かった。しかし、不思議なことに「人+人工知能」「人工知能だけ」が「思いやり」についても「信頼性」についても評価が低いのだ。

私のように生成AIにはまっている人間は、人工知能(AI)の関与が医療の質を上げるには非常に重要だと思っているのだが、一般的な印象は「人工知能」に対して冷たいようだ。「人+人工知能」によるアドバイスは相乗効果があるはずだが、評価としては「人だけ」よりも悪く、「人工知能だけ」に近いのは、「人工知能」に対して得体のしれないものだという印象が強いからなのだろう。

筆者たちは、人工知能を医療現場で活用するためには、この論文で可能性が示された「人工知能バイアス」の克服が重要だと述べている。人工知能の実践もなかなか難しい。

編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2024年7月29日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。