パンデミック中にオンライン会議ツール「Zoom」が急速に浸透したように、音楽業界ではリモートセッションを可能にするツールが多数登場した。
ヤマハの遠隔合奏サービス「SYNCROOM」は、リリースから4年後の今年6月にVer.2.0を公開。また、「Session Studio」を展開するSessionは、2019年設立のスタートアップ。共同設立者は元ABBAのBjörn Ulvaeus氏、音楽プロデューサーMax Martin氏・Niclas Molinder氏という面子だ。
Submix、プレシードラウンドで100万ドル調達
Submixは、6月の資金調達発表を経て7月23日にアプリを正式ローンチしたばかり。この分野へ新たに参入した後発と言える。
Submixは、今年6月にプレシードラウンドで100万ドルの資金調達について発表。投資家にはAngel Invest Ventures、SCNE、TSIC(Tiny Supercomputer Investment Company)、Vesna Capitalのほか、グラミー賞受賞歴のある音楽プロデューサーも含まれているという。
サンフランシスコに拠点を置くSubmixの共同設立者・CEOのPaul Jeszenszky氏は、「当社サービスに関心を寄せてくださる企業は多種多様で、大手レコード会社や出版社、映画スタジオ、ゲーム制作会社、教育機関などが含まれます」とコメントしている。
Mac OS対応のみ、今後はWindowsにも対応か
Submixを使用できるのは、現時点ではMacユーザーのみ。Windowsには今後対応予定とのことだ。
シンプルなMIDIルーティングを実現し、あらゆる電子楽器や機材との直接的な接続が可能。楽器が奏でた音楽情報はただちに共有され、録音したものを別のユーザーが編集することもできる。
高解像度の映像とクリアな音声チャネルにより、世界各地からの参加者がタイムラグなしにセッション・対話することができる。「シームレスな情報共有」を旨としているため、Submixアプリのアカウントを持っていない人でもブラウザ版でセッション参加が可能だ。 セッションに参加するユーザーのDAW(Digital Audio Workstation)ソフト(デジタル音楽編集ソフトがバラバラであっても、仮想パッチベイ機能「Submix Patchbay」によってプラグインなしでセッションが可能だという。 また、ベータ版ではあるが「Submix Sketch」機能を使って指示やイメージを画面に書き込むことも可能。直感的な想像を作詞作曲に活かす使い方にも対応している。