食料品、光熱費、日用品の相次ぐ値上げの中、家計は苦しい状況が続いています。特に最近の異常な暑さで、エアコンの使用が必須となる中、電気代も心配になりますね。日本経済は今後どうなるのでしょうか。
先月は「物価高で厳しい状況にある人たちへの支援に万全を期す必要がある」と自民党の政務調査会長らが岸田総理に緊急提言を手渡したとのニュースもありました。
物価高対策 “十分な効果 具体的な検討を”自民党 首相に提言
しかし、思い出してほしいのは、このような物価高(インフレ)を目指していたのは日本政府ではなかったでしょうか?
日本政府は、つい先日まで「デフレ脱却」を合言葉にインフレ目標を掲げて政策を推進していました。
政府の掲げたインフレ目標(2%)を達成した今、わたしたち日本国民の生活がますます苦しくなっているのは、なぜなのでしょうか?
インフレ目標さえ達成すれば日本経済は復活する、と言わんばかりの口調で日本政府は当時、「デフレ」を目の敵にしてきました。
「デフレ脱却」が叶った今こそ、「本当にデフレは”悪”なのか?」を考えてみたいと思います。
今回はアメリカの保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」の経済研究フェローでもあるPETER ST ONGE氏の2023年8月19日の記事「he “Deflation is Bad” Myth(「デフレは悪い」という神話 )」を翻訳(一部意訳)して紹介します。
※元の記事は以下から全文が読めます。 ※目次と太字は筆者です。
The “Deflation is Bad” Myth
「デフレは悪い」という神話 ~中央銀行は私たちに毒を売ります~
1. 中央銀行は「インフレが必要だ」と国民を信じ込ませたインフレは必要でしょうか?中央銀行(FRB)が私たちからすべてを盗むことに対して許すべきなのでしょうか?
紙幣を金やビットコインに置き換えることに人々が抱く最大の障壁のひとつは、「インフレが必要だ」という考えです。
中央銀行と、彼らから報酬をもらっている経済学者たちは、インフレは良いことだと国民に信じ込ませることに成功してきました。
つまり、「中央銀行が私たちから富を吸い上げて銀行家や政府に渡さなければ、私たちは貧しくなり社会は崩壊するだろう」と信じ込ませることに成功してきたのです。
もちろん、真実はその真逆です。
歴史上の黄金時代はデフレであり、インフレではありませんでした。なぜなら、デフレはモノがカネより速く成長するときに起こるからです。
他の条件が同じであれば、経済が昨年より10%成長し、貨幣量が変わっていなければ、1ドルの価値は10%上昇します。昨年は10ドルだったものが、今は9ドルで済んでいるということです。