UFO(※1)と見られる飛行物体がわれわれの想像以上に世界中で目撃され、記録もされていることが近年明らかになってきている。未解明だとされている過去のUFO事件は当時のUFOの認知度と情報統制のなか、十分に調査されてこなかった恐れがある。そうした事件の1つが50年前にニュージーランドで起こったワイプクラウUFO事件だ。

※ こちらの記事は2019年11月29日の記事を再掲しています。

50年前にニュージーランドで複数人に目撃されたUFO事件があった。そのうちの1人は至近距離からその謎の飛行物体を見上げ、円盤型の機体をはっきり確認しているのだ。

飛行場の低空に巨大な浮遊物体

目撃者が複数人いるUFO目撃事件では、たいていの場合、その正体についていくつかの可能性が挙げられてくるが、中にはまったく解明の糸口がないケースもある。50年前にニュージーランドで起きたUFO目撃事件もその1つだ。

1969年10月30日の夜、ニュージーランド北東部のセントラル・ホークス・ベイ地区でUFOが至近距離から目撃されている。

セントラル・ホークス・ベイ地区の最大の街・ワイプクラウにあるワイプクラウ飛行場で夜の巡回警備の任に就いていた警備員のジョン・カドビー氏は、飛行場に隣接する牧草地に何か異変を感じた。

放牧されている羊たちが、何かにおびえて1カ所に集まっているように見えたのである。職場に連れてきて放し飼いにしている犬の様子もどこかおかしかった。そして掃除機が発するようなハミング音が辺りに響いていることに気づく。

巨大UFOが出現、未解決円盤事件の謎! 羊の異常行動と爆発音… 50年前のワイプクラウUFO事件とは?
(画像=『TOCANA』より 引用)

「NZ Herald」の記事より

格納庫の窓に異常な光が反射しているのを見つけた犬が吠えると、カドビー氏は窓に映る緑、赤、緑と並んだ3つのライトを目撃。そしてハミング音はなんと、空中でホバリングしている「大きな物体」から発せられていることを知る。

身の危険を感じたカドビー氏は自分の車に乗り込んだ。ライトを点灯させ車の中からこの謎の巨大な浮遊物体を観察すると、直径は20メートルほどもあることが確認できた。そしてハミング音は次第に大きくなってきていた。

巨大UFOはカドビー氏の車のほうに向かって傾きはじめたのだが、航空機の格納庫の天井に立っている吹流しが非常に速く回転しはじめ、きしむ音を発していたという。そして次の瞬間、吹き流しのポールがまるで居合の巻き藁斬りのように切断されて落ちたという。

巨大UFOが出現、未解決円盤事件の謎! 羊の異常行動と爆発音… 50年前のワイプクラウUFO事件とは?
(画像=『TOCANA』より 引用)

「ExoNews」の記事より

迷宮入りのUFO事件

こちらに向かってきそうな挙動を見せる巨大UFOに、カドビー氏はいったん車から出て建屋の物陰へと走ったのだが、このUFOはあっけなく消え去ってしまった。

カドビー氏はUFOがホバリングしていた真下の場所に向かったのだが、その周辺の空気は生温かく地面の草も温かく、草が濡れそぼっている部分もあったという。

カドビー氏はその後、この事件を報告するために警察署に向かい、そこで事の顛末を話した。

警察には町の西南のペケオラの2つの農家から謎の飛行物体が低空を飛んでいったという報告が寄せられていた。彼らはジェット機がトラブルでどこかに着陸する場所を探していたのではないかと感じたということだ。

巨大UFOが出現、未解決円盤事件の謎! 羊の異常行動と爆発音… 50年前のワイプクラウUFO事件とは?
(画像=『TOCANA』より 引用)

「ExoNews」の記事より

また別の酪農家は低空で飛び去る航空機の音に羊たちが極度におびえていたことを報告し、国道2号線をペケオラ・ヒル経由でワイプクラウに向かって車を走らせていたドライバーは、遠くの飛行場の上空に暗い色の飛行物体の姿を目撃したという。

ドライバーの証言によれば、黒い物体は高度30メートルの低空をしばらくホバリングし、徐々に高度を上げていき、突然南の方向へ飛び去っていったということだ。この光景を目撃するまではUFOについて懐疑的であったということだが、このショッキングな遭遇体験で考えがガラリと変わったという。

いくつもの目撃証言があるこのワイプクラウのUFO事件だが、UFO以外のほかの可能性を示す手掛かりは50年の時を経てもまったくないようだ。とすればやはり何らかの事情でこの地に不時着しようとしていたUFOだったのだろうか。まさに迷宮入りのUFO事件の1つである。

参考:「NZ Herald」、「ExoNews」ほか

(※1) UFO(Unidentified Flying Object:未確認飛行物体)は、説明のつかない航空現象をすべて含むが、現在は「宇宙人の乗り物」という意味で用いられることが多い。そのため、現在アメリカ軍では「宇宙人の乗り物」という意味合いが強くなったUFOに替えて、説明のつかない航空現象に対し、「UAP(Unidentified Aerial Phenomena:未確認航空現象)」という呼称を採用している。

文=仲田しんじ

提供元・TOCANA

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