ディエゴ・ピトゥカ 写真:Getty Images

 ブラジル2部降格クラブであるサントスが、Jリーグファン・サポーターから注目を浴びている。同クラブはV・ファーレン長崎と契約更新したファビオ・カリーレ監督の招へいを一方的に公式発表。カリーレ氏が、2023シーズン限りで鹿島アントラーズを退団したブラジル人MFディエゴ・ピトゥカの去就に言及している。

 ピトゥカの去就を巡っては、鹿島在籍時にサントス復帰の可能性が度々報じられたものの、鹿島がサントスに契約解除金満額を支払うように要求。するとサントスは今年7月20日にクラブ公式Xアカウントにて「ピトゥカは木曜日(20日)に我々と4年間の事前契約を結ぶ」と一方的に声明を発表。2023シーズン終了後に移籍金ゼロで同選手を再獲得する方針を打ち出したほか、鹿島に対して7月中の同選手放出を求めていたが、鹿島は早期放出に応じなかった。

 その後、鹿島は今月7日に公式サイトにて「ディエゴ・ピトゥカ選手がサントスFC(ブラジル)へ完全移籍することになりましたので、お知らせいたします」と公式発表。しかし12日に帰国した際、自身の去就について「鹿島との契約は2024年1月まで残っているけど、きちんとした計画があれば、ブラジル2部でプレーしない理由はない。この困難な時期にサントスを助けたいと心から思っている。でも、さっきも言ったように、まだ鹿島との契約が残っているし、サントスの誰とも話していないので、それについて深く話すことはできないんだ」とサントス復帰を明言せず。

 サントスの専門サイト『Diario do Peixe』によると、今月9日の会長選挙で選出されたマルセロ・テイシェイラ氏が16日時点でピトゥカの代理人に連絡を取っていないという。

 しかしサントスの専門サイト『Meu Peixao』によると、ピトゥカは事前契約で合意していた年俸額の引き下げに同意した模様。カリーレ氏は「ピトゥカのことは昔から追いかけている。日本でも成功していた。我々の計画に含まれている。彼はサントスの一員だ。彼がサントスに復帰をして、私はとても幸せだ」と語ったという。

 長崎と契約更新で合意したにも関わらず、サントスの補強計画に首を突っ込んでいるカリーレ氏。サントスが長崎に対してカリーレ氏との契約解除を働きかけ、違約金ゼロでの招へいを狙う可能性も指摘されているだけに、今回のピトゥカに関する発言に対して日本のファン・サポーターは複雑な思いを抱くはずだ。