日本代表は今月14日開催のAFCアジアカップ・グループステージ第1節で、ベトナム代表相手に4-2で勝利。GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)のミス等により前半に苦戦を強いられた森保ジャパンを、かつて北海道コンサドーレ札幌や川崎フロンターレでプレーしていたタイ代表MFチャナティップ・ソングラシンが分析している。
日本は10分にMF南野拓実(ASモナコ)のゴールで先制も、15分と32分にセットプレーから失点。特に2失点目では鈴木のシュートストップの甘さが批判の対象になった。それでも日本は45分に再び南野がゴールネットを揺らすと、前半アディショナルタイムには中村が左斜め45度の位置からシュートをゴールマウス右隅に突き刺し、逆転に成功。後半はベトナム代表選手の疲労が色濃くなる中で主導権を握ると、85分にMF堂安律(SCフライブルク)とMF久保建英(レアル・ソシエダ)の崩しから最後はFW上田綺世(フェイエノールト)がゴールネットを揺らした。
MF三笘薫(ブライトン)やDF冨安健洋(アーセナル)など一部選手をコンディション不良により欠いた日本代表の戦いぶりに対しては、代表OBの田中マルクス闘莉王氏をはじめ識者からの批判が噴出。アジアカップ優勝候補に推されているとはいえ、一抹の不安を抱えている。それでもチャナティップは日本代表を高く評価。タイメディア『matichon』のインタビューで以下のようなコメントを残したという。
「ベトナムはいいプレーをしていたけど、日本は本来のパフォーマンスではなかったと思う。僕はかつてJリーグでプレーしていたから、日本のことはよく知っているんだ。確かに初戦はいつも難しいね。日本は100%のパフォーマンスではなく、70%にしかすぎなかった。本気ではなくてのんびりとプレーしていても、彼らのプレーには気品があったよ」
またチャナティップは「ベトナムの戦いぶりは称賛しないとね。彼らには良い戦術があるし、選手たちも日本相手に果敢に挑んでいた。ベトナムは東南アジアの国であり、タイの隣国だから、僕は彼らのことを尊敬しているよ」と、ベトナム代表の善戦に対する称賛も忘れなかった。
なおチャナティップは、コンディション不良によりアジアカップのタイ代表メンバーに含まれていない。Jリーグの舞台で5年以上にわたりプレーしていたタイの至宝が、今もなお日本サッカーに注目している。