AFC U23アジアカップで優勝し、パリ五輪本大会出場を決めたU23日本代表。MF久保建英(レアル・ソシエダ)の五輪参戦を期待する声が湧き起こる中、日本代表OBの前園真聖氏や弁護士の犬塚浩氏が、FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)の五輪参戦やアルゼンチン代表のスタンスを比較対象に挙げているほか、城彰二氏は日本サッカー協会(JFA)の姿勢を批判している。
アトランタ五輪の日本代表メンバーである前園氏、犬塚氏は今月5日放送の情報番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演。現在22歳の久保にパリ五輪出場資格があることが話題に挙がると、前園氏は同選手にステップアップ移籍の可能性があるとして「もっとすごいクラブからオファーが届いたら、そのオファーを優先しないといけない。五輪には出さない」と否定的な見解を述べている。
また、犬塚氏はMCの東野幸治さんから久保のパリ五輪出場に対する賛否を訊かれると、メッシがアルゼンチン代表OA(オーバーエイジ)枠の選手として、2008年の北京五輪で優勝したことを紹介。その上で「アルゼンチンの場合、あのレベルまで行くと五輪に出なかった時の国民の批判があったと思うので、選手の選択が難しい」とスーパースター選手を思いやると、前園氏は「アルゼンチンの場合は、国として金メダルを獲りに行っていたので、ベストメンバーを集めていた」と、強豪国ならではの“縛り”を強調した。
パリ五輪に対するJFAのスタンスには、前園氏と同じくアトランタ五輪の日本代表メンバーである城彰二氏が言及。先月13日に自身のYouTubeチャンネル『JOチャンネル』を更新すると、「【オーバーエイジ/チーム作りどうなる!?】パリ五輪世代の日本代表に求めるものは何?|U-23日本代表 パリ五輪最終予選「U-23アジアカップ」&本大会に向けて」というテーマのもと、「パリ五輪で本当に金メダルを獲りに行くのか、それもと育成のことを考えて五輪世代からA代表に上がって、A代表を強化するのか、コンセプトが全く分からない。目的をハッキリさせた方が良いと俺は思うし、パリ五輪の目的を協会が発表すべき」とJFAを批判していた。
ただ一部報道によると、日本はOA枠(オーバーエイジ枠)採用を検討しており、候補にDF冨安健洋(アーセナル)、DF板倉滉(ボルシアMG)、DF町田浩樹(ユニオンSG)、MF遠藤航(リバプール)らが挙がっているとのこと。A代表の森保一監督は、今年6月の国際Aマッチデー期間で、久保やGK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)らをU23日本代表の活動に専念させる考えを示したという。これらを踏まえると、JFAがパリ五輪での金メダル獲得を目標に定めている可能性も考えられる。