歴史的な円安が加速している。政府・日銀が4~5月にかけて実施した巨額の為替介入の効果がなくなり、27日の東京外国為替市場で円は一時1ドル=160円台後半と37年半ぶりの円安水準に下落した。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ開始時期が後ずれし、日米金利差の縮小が見込めない中、「時間稼ぎ」のための新たな介入にいつ踏み切るのかが焦点となる。

 政府・日銀は4月29日と5月2日に円買い・ドル売りの介入を実施したとみられ、月次公表ベースで過去最大の計9兆7885億円を投入した。ただ、介入の円安抑制効果は「一時的で持続性に乏しい」(国内銀行)とされ、6月26日の海外市場では、政府・日銀の「防衛ライン」とみられていた160円を突破すると、投機的な売りが加速した。

 FRBが利下げ局面に入れば、日米金利差は縮小に向かい、円安圧力は和らぐ。ただ、インフレ再燃懸念から利下げ開始は早くても9月以降との見方が強く、介入で再び「時間稼ぎ」しなければ、「170円を超える円安もあり得る」(シンクタンク)との見方もある。

 財務省の神田真人財務官は26日夜、「行き過ぎた動きには必要な対応を取っていく」と投機的な動きをけん制。市場では「いつ介入があってもおかしくない」(大手証券)との声も聞かれる。

 一方、日銀が金融政策の正常化を慎重に進める姿勢を示したことも円安の再加速につながった。6月14日の金融政策決定会合では、国債の買い入れ減額の具体策決定を次回7月会合に先送りした。しかし、このまま円安進行が止まらなければ「7月会合で国債買い入れ減額と利上げを同時に実施する可能性もある」(エコノミスト)との観測も浮上している。 (了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/06/27-18:50)

提供元・Business Journal

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