トヨタ カムリは、セリカ カムリを名乗り1980年に誕生した初代を経て、1982年3月にカムリとして独立しました。
当初からFF(フロントエンジン・フロントドライブ)の駆動方式を採用し、5ナンバーサイズのセダンのなかでも少し上級という立ち位置で、80年代、90年代に絶大な支持を集めました。
現行の日本向けモデルは、2023年12月下旬での生産終了が発表されています。
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トヨタを代表するFFミドルサイズセダン
「ハイソカー」ブームから現在はハイブリッドモデルに
トヨタを代表するFFミドルサイズセダン
SUV全盛時代にあっても、北米市場でトヨタを代表する車種の1台がカムリです。
北米ではSUVやピックアップトラックなどが売れているなか、カムリ、カローラなどといったセダンの人気も健在で、2023年の上半期ではRAV4に続いて売れた車種がカムリでした。
しかし、日本では輸入車勢や法人ニーズもある高級車などをのぞき、セダン市場は縮小。クラウンも大変革を遂げるなど、ひと昔前まで、クルマの正統派ともいわれた3BOXスタイルのセダンが売れなくなっています。
セダンの魅力は、SUVなどよりも背が低いため、山道や高速道路などでも走りが安定している点。独立したトランクを備えているため、後席も含めたキャビンの静粛性、快適性、ボディ剛性などを確保しやすいなどの利点があります。
昔からVIPが乗るクルマといえば、セダンが定番だったのもこうした理由もあります。
いっぽうで、車高が低いぶん、乗り降りするときに身体の上下動が大きくなるなど、背の高いミニバンやSUVに乗り慣れてしまうと、セダンの乗降性や低い視界などには戻れなくなるかもしれません。
「ハイソカー」ブームから現在はハイブリッドモデルに
カムリは、1986年登場の2代目から、同じトヨタのマークⅡ/チェイサー/クレスタというFRセダンとともに「ハイソカー」ブームを牽引します。
4ドアハードトップ車が多かったものの、明確な定義はなく、流行語のようなものでした。当時憧れたという方もいるのではないでしょうか。
1986年登場の3代目までは、ハイソカーに多かった直線基調のフォルムで、4代目からは、少し丸みを帯びた外観になり、海外向けは3ナンバーボディを用意(日本ではセプターの名で販売)。
その後、5代目を経て、6代目はカムリ グラシアの車名でリリースされた時期もありました。
2001年登場の7代目は、高級セダンのウィンダムと車体を共通化。
8代目は、現行型にも通じるスタイリッシュな外観をまとい、9代目は2011年に発売され、新開発の2.5Lアトキンソンサイクルエンジンと「THSⅡ」が組み合わされた最新のハイブリッドが搭載されました。