出光興産、ENEOS、北海道電力の3社は2024年2月20日、北海道苫小牧西部エリアにおける国産グリーン水素サプライチェーン構築事業の実現に向けた検討を行なうことに合意し、覚書を締結したと発表した。

出光・ENEOS、北海道電力 大規模グリーン水素製造プラントの建設とサプライチェーン構築の覚書締結
(画像=『AUTO PROVE』より 引用)

この検討は、2030年頃までに北海道苫小牧西部エリアで国内最大となる約1万トン/年以上のグリーン水素を製造できる水電解プラント(100MW以上の規模)を建設し、豊富な再生可能エネルギーを活用して製造したグリーン水素を、出光興産を始め、地域の工場などにパイプラインで供給するサプライチェーンの構築を目指すものだ。

2023年6月に改訂された政府の「水素基本戦略」の中で、国内における水素の製造および供給体制の構築は、エネルギー政策の観点からも重要視されている。また、余剰電力の水素への変換は、国内における再生エネルギーによるゼロエミッション電源のポテンシャルを最大限活用することが期待できる。

北海道は、洋上風力など再エネのポテンシャルが非常に高い一方で、電力需要が比較的小規模で本州との電力融通量に制限があることから、余剰電力の有効活用や再エネ電源の出力変動に対応するための調整力確保が課題となっている。

これに対し、水電解プラントを調整力として活用することで、北海道における将来的な余剰電力の有効活用や電力市場への調整力供出を行ない、さらなる再エネの導入・拡大を図っていくことが可能になる。

また、北海道苫小牧西部エリアに立地する事業者への調査により、このエリアにおける化石燃料から水素への転換需要は、各工場のプロセス利用、発電利用、熱利用およびモビリティ利用として合計7万トン/年程度が見込まれており、国産グリーン水素サプライチェーンの構築が当該エリアの脱炭素化に大きく貢献できると想定されている。

提供・AUTO PROVE

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