ミヒャエル・スキッベ監督 写真:Getty Images

 サンフレッチェ広島は今月3日開催の明治安田J1リーグ第6節・町田ゼルビア戦で、日本代表MF満田誠やFW大橋祐紀のゴールにより、2-1と勝利。ロングスロー、ロングフィード、セットプレー、プレー強度の高さを武器とする町田に今季初めて土をつけたが、ミヒャエル・スキッベ監督が選手に伝えた“町田対策”が話題に。日本代表GK大迫敬介は町田戦前に手応えを掴んでいたようだ。

 今季ここまで無敗と開幕ダッシュに成功した広島。町田戦では31分に大橋のゴールで先制すると、50分にはDF佐々木翔がペナルティエリアでMF下田北斗のスライディングタックルを受けて倒れると、OFR(オンフィールドレビュー)の末にPKを獲得。満田がPKを決めてリードを広げた後は、オウンゴールから1点を返されたものの、町田の反撃を振り切った。

 ネット上で「ワンテンポ広島のプレースピードが速かったから、町田のファウルが多くなったのでは?」「広島の切り替えの速さが素晴らしかった」などと、広島に対する称賛の声が相次ぐ中、同クラブの公式YouTubeチャンネルでは4日に「INSIDE_町田戦」が公開。クラブスタッフのカメラが、選手やスキッベ監督の様子を捉えているが、大迫は戦前に「空中戦のボールも多くなると思いますけど、(広島には)自分を含めて空中戦が大好きな選手が多い。気持ちよくなるんじゃかいですかね」と自信を覗かせていた。

 試合前のロッカールームでは、スキッベ監督が選手たちに“町田対策”の徹底を指示。通訳を介して「簡単に早くボールを動かす。後ろはできるだけ早く前に出て、裏に抜けるパスを出す。相手のセットプレーを与えない。今日はスローインも与えない。ピッチは濡れているから、しっかり足元に強いパスを(出して)」と伝えると、「一番大事なのは、俺たちが良いサッカーをやることだ」という言葉で士気を高めている。

 さらにハーフタイムのロッカールームでは、指揮官が「ここまで本当に素晴らしい。何より良いのは、高い位置からボールを奪いに行けているからね」と前半のパフォーマンスを絶賛。「前半のように、どんどん前から行こう。相手にしっかりプレッシャーをかけて、簡単にボールを蹴らせない。俺たちがセカンドボールを拾う、ボールを持つ時には良いサッカーができるから」と、引き続き町田のストロングポイントを消すように指示したほか、主将の佐々木は「後半キックオフ、相手絶対に何かやってくるからな」と呼びかけていた。

 そして試合後には、選手やコーチングスタッフがピッチ脇で輪を作ると、スキッベ監督は「相手にスローインを与えたけど、それ以外は俺たちの勝ち。俺たちは自陣からボールを遠ざけた」と選手たちを称えた上で、「しっかりオフを満喫して、また週末に(試合を)やるからね」と次節に向けての切り替えを求めた。

 J1第6節終了時点で3勝3分と、首位の町田から勝ち点1差の2位につけている広島。今月7日の湘南ベルマーレ戦でも、ファン・サポーターから勝ち点3の獲得を期待されている。