日々の面倒な皿洗いを自動化してくれる食器洗い乾燥機。ファミリー向けはもちろんのこと、最近は単身者向けの製品も出てきました。一方で、食洗機には、工事が面倒というイメージがあります。この記事では「食洗機を新しく買いたい」「買い替えたいけど、工事はできない」そのような人に向けて、工事不要のおすすめ食洗機を紹介します
工事不要の食洗機にどういったタイプがあるのか、そして選ぶときのポイントはなにか、詳しく解説。これさえ読めば、選び方からおすすめまで把握できます。商品選びの参考にしてください。
工事不要の食洗機のタイプ
まずは、工事不要の食洗機についてくわしく解説します。工事をせずに導入できる据え置き型の食洗機は、大がかりな工事が必要ないため、賃貸マンションに住んでいる人でも導入しやすいのが魅力です。
そんな工事不要の据え置き型の食洗機には、大きくわけて以下の2つがあります。
- 分岐水栓式
- タンク式
それぞれの詳しい違いは後述しますが、両者は食器を洗う際に使う水の給水方法に違いがあります。分岐水栓式の食洗機は、分岐水栓を水道の蛇口に取り付けて自動で給水して使うタイプです。そのため、簡単な工事が必要になります。一方のタンク式は、専用カップでタンクに上から水を注ぐだけで使えるため、工事が必要ありません。
では、それぞれの概要や特徴、仕組みについてみていきましょう。
分岐水栓式
分岐水栓式は、家庭にある水道に分岐水栓を取り付けて使用するタイプの食洗機です。分岐水栓を蛇口に取り付けることで、水道から自動で給水して食器の洗浄・乾燥までできます。分岐水栓の取り付けは、DIYが得意であれば問題なくできるかもしれません。ただし、自宅の水道に合った分岐水栓を使用しないと、うまく取り付けられないため、注意が必要です。
分岐水栓式を賃貸住宅で導入する場合、工事してもいいのかを事前に大家さんへの相談が必要です。事前に賃貸借契約の条件などをしっかりと確認しておきましょう。また、賃貸物件では原状回復義務があるため、元の蛇口をなくさないようにすることも大切です。
分岐水栓式の食洗機は3万円台くらいから購入できます。工事費用の目安は、5,000~1万5,000円ほどです。
タンク式
タンク式は、専用カップで食洗機の上から水を注ぐだけで使える食洗機です。使用するたびに食洗機本体に水を注ぐ手間はかかるものの、分岐水洗式のように難しい工事などは一切ありません。そのため、購入してすぐに使いたい人や食洗機を試してみたい人におすすめです。
タンク式の食洗機は、設置後コンセントに接続すればすぐに使えます。賃貸でも簡単に設置できるのがメリット。タンク式は、2万円台から購入可能です。
食洗機の選び方
次に、食洗機の選び方についてレクチャーします。選び方のポイントは、以下の5点です。
- 設置場所
- 開き方
- 洗浄力
- 容量
- その他機能
それぞれ詳しく紹介します。一つずつみていきましょう。
設置場所
まず気をつけたいのが、食洗機をどこに設置するかということです。設置予定場所にどれくらいスペースがあるのか正確に測り、設置できるサイズのモデルから選びましょう。
分岐水栓式の場合、水栓からホースを使って給水する仕組みです。そのため、水栓から遠すぎる場所に食洗機を設置することはできません。
キッチンの広さや作りによっては、ホースが届かないなどの理由で、タンク式しか選択できない場合もあるでしょう。さらに、排水するための付属ホースは1mのものがほとんどです。こちらもシンクに届くかどうかチェックしておきましょう。
また、コンセントまでの距離が遠いとそもそも設置できないため、注意してください。
開き方
設置場所と同じくらい重要なのが、食洗機の扉の開閉方式です。開閉方式には、前開き式と上下開き式の2つがあります。
前開き式は、取っ手を引っ張って扉を手前に倒して扉を開けるモデルです。本体の手前に扉を開けるため、食洗機前方にスペースがあるかどうかも確認しておきましょう。メリットとしては、開けるときのスペースに製品以上の高さを必要としない点や本体上部にドアがないため、本体の上に物が置ける点があります。
一方の上下開き式は、上下の扉がそれぞれの方向に開くモデルです。メリットは「前開き式」と比べて手前のスペースを必要としない点や庫内をしっかり視認できる点、フライパンや鍋などの大きめの調理器具も入れられる点などが挙げられます。
上下開き式のモデルを選ぶ際も前開き式同様、本体の手前にスペースがあるかどうか確認しておきましょう。
洗浄力・乾燥機能
食洗機を買うにあたって、洗浄力も着目したいポイントの一つです。油汚れやぬめりなどを1回で洗い流せる洗浄力があるかが大事になってきます。
近年の食洗機では、基本的に洗浄力に大きな差はありません。庫内にためた温水を回転ノズルから噴射して洗う仕組みが大半です。洗浄モードも、基本的にはどの機種も似たようなものを搭載しています。
洗浄力で差が出るのは、庫内の広さによるところが大きいでしょう。庫内が狭いと、そのぶん食器を重ねて入れることになるため、洗い残しが出てしまいます。
さらに、乾燥能力では大きな違いが出ます。食洗機によって、乾燥が送風のみのタイプとヒーターと送風の組み合わせで乾燥させるタイプにわかれており、ヒーター乾燥のほうが乾燥能力が高い傾向があります。
容量
食洗機の収納容量も、チェックしておきたいポイントです。容量によって、どれくらいの食器量を洗えるのかが変わります。
収納容量は、家族の人数に合わせて選びましょう。注意したいのが、容量が大きくなるほど本体サイズも大きくなる点です。そのため、置き場所とセットで考える必要があります。
製品のページを見ると「約◯人分」「食器◯点」といった記載があります。毎食後など頻繁に食器を洗うのであれば24点以上がよいでしょう。家族の人数が多い人や1日の食器をまとめて洗いたい人には、40点以上をおすすめします。
人数に合った食器点数の目安は、以下のとおりです。
その他機能
その他、あると便利な機能について解説します。必ずないといけないものではないため、自分の生活においてあると便利だなというものを見つけてください。
タイマー機能
タイマー機能が搭載された食洗機なら、電気代が割安な深夜帯に稼働させたり、外出中に終わるようにタイミングをあわせたりすることが可能です。
静音モード
赤ちゃんがいる家やキッチンとリビングが近い家の場合、食洗機を動かしているときの稼働音も気になるものです。食洗機は比較的振動しないため、近所迷惑になるほどうるさくはならないでしょう。音が気になる人には、静音モードなどを搭載した比較的静かな食洗機がおすすめです。
庫内洗浄モード
食洗機はほぼ毎日使うもので、使ううちに庫内に汚れが付着してきます。そのため、定期的なお手入れが欠かせません。「庫内洗浄モード」がついているものであれば、手軽にお手入れが可能。庫内洗浄モードでは、クエン酸などを入れて運転することで庫内のべたつきなども、キレイにできます。
また、パーツを簡単に取り外せるものや、すべて分解できて丸洗いできるものであれば、細かなお手入れもできて便利です。
乾燥機能
乾燥機能を搭載した製品であれば、食器の洗浄から乾燥までを任せられます。食器洗いにかける時間や手間を軽減したいのであれば、乾燥機能付き製品をチェックしましょう。製品によっては、乾燥機能を単独で使用できるものもあります。手洗いした食器の乾燥をおこなえるため、便利な機能です。
時短モード
軽い汚れを落とすときに向いているモードで、短時間で食器を洗えます。
節水モード
水道代を抑えて洗うことができます。
強力洗浄モード
食器にこびりついた汚れや、食後から時間が経過して落ちにくくなった汚れなどを時間をかけて落としてくれるモードです。