みなさんはパフィンという鳥をご存知でしょうか?黒と白の羽にカラフルなくちばしとオレンジ色の脚。チャーミングで愛くるしい姿は一度見ると忘れられません (少なくとも私は)! 一見小さなペンギンのようにも見えますが、ペンギンとは全く別の種で、飛ぶことも泳ぐこともできるタフな鳥でもあります。
アイスランドは世界最大のパフィン繁殖地であり、4月から8月はパフィンの繁殖シーズンなのです!
私はパフィンに会うためにアイスランドに来たようなもので、毎年夏になるとパフィンを求めてあちこちしています。この記事では簡単なパフィンの紹介と個人的にまとめたアイスランド国内のパフィンに会えるスポットをご紹介します!
目次
そもそもパフィンってどんな鳥?
<泳ぐのが上手なパフィンは1年の大半を海で過ごします。大きな波も気にせずにぷかぷか浮いています>
パフィンという名前は英語名の「Atlantic Puffin(アトランティック・パフィン)」からきており、和名は「ニシツノメドリ」です。パフィンの仲間はあと2種類いますが、こちらではこのアトランティックパフィンのみ注目していきます。
パフィンは主に海上で生活をしており小魚を主食とします。そして春から夏にかけてアイスランドやフェロー諸島、スコットランドなどの北大西洋沿岸部に繁殖のために飛来します。なんと全体の60%のパフィンがアイスランドに飛来する(※1)と言われており、アイスランドは人気の高さが伺えますよね。
<観察していると交互に海に出る姿がみられました!>
パフィンは同じパートナーと添い遂げると言われており、毎年繁殖期になると同じ巣で再会するそうです。子育ても夫婦協力制で、メスは一度に一つの卵を産み、オスと交互に温めあいます。孵化したのちは交互に海に出てひなに餌を与えます(※1)。小魚を口いっぱいに加えた姿は健気で頑張れと応援したくなります。
ひなは別名「Pufflings (パフリングス)」と呼ばれ、大人のパフィンよりも顔が黒く、くちばしも黒っぽいです。
ただパフィンはアイスランドのどこにでもいる訳でなく、会いに行くには時間と場所を定めて見に行かなければいけません。というのも、パフィンの巣を作る場所というのは主に断崖絶壁の切り立った崖であり、簡単に行ける場所ではないからです。またパフィンは日中を海で過ごすので午前中か夕方以降の方が出会える確率が高くなります。
パフィンと私について
私はパフィンが大好きで、パフィングッズのコレクターでもあります。アイスランドを知るよりも前にパフィンの存在を知りその姿に一目惚れをして、アイスランドにやってきました。パフィンに会いにスコットランドにもいつか行きたいですし、日本唯一パフィンがいるという那須にも行ってみたいです。今年の夏の行き先はまだ決まっていませんが、ウェストフィヨルドという西海岸にパフィンスポットがあるようなので、いつか行きたいと思っています。
<パフィンに出会えたら集めていこうと始めたパフィンコレクション。もちろん写真以外にもあります。ハンドメイド感のあるグッズが好みです>
それではパフィンスポットを紹介していきます。
リングロードを一周する方におすすめ!ボルガルフィヨルズルエイストリ
最初に一番のお気に入りスポットを紹介します。地域の名前も難しくて覚えにくいですし、レイキャヴィックから車で約8時間半というアクセスも良いとは言えない場所ですが、本当におすすめです!なぜなら一度にたくさんのパフィンを間近で見ることができるからです。
<手が届きそうなほどの距離でパフィンを観察することができます>
双眼鏡を使う必要もなく、間近に飛んでくる姿や運が良ければひなに餌を与える瞬間まで観察することができます。
私は2022年の6月中旬と2023年の8月にこの場所を訪れましたが、時期と時間によって出会える数がかなり違うことが分かりました。6月に訪れた際は繁殖シーズン真っ只中だったので崖一面がパフィンに埋め尽くされていてまさに圧巻でした。8月に訪れた時は午前中だとそれなりの数のパフィンを観察できましたが、シーズンも終盤だったのでそこまで多くはみられませんでした。
<フィヨルドの先にある小さな町でアイスランドらしい景色を楽しめます>
東海岸フィヨルド内にある小さな町ですが、最近は観光に力を入れており宿泊施設から温水プール、レストランもあります。また、フィヨルドの周りをリブリボートで駆け巡るツアーもあるので1日かけて自然を満喫できる場所です。町に入るまでの一本道がこれがまた素晴らしい景色なのでぜひ訪れていただきたいです。
一周はしないけど島に行きたい人へ:ヴェストマン諸島ヘイマエイ
アイスランド南側にある18の島から成るヴェストマン諸島は火山とパフィンの島として有名です。ヘイマエイは諸島唯一の有人島で人口は約4,000人です。1973年の噴火は特に有名で、火山灰で多くの家が埋まったことから北のポンペイとも呼ばれています。
<50年前に噴火した山からの景色、住宅地まで溶岩が流れた様子がよく分かります。噴火によって20%もの島の面積が拡大されたというのは驚きです!>
島のパフィンスポットは主に西海岸と南側で、崖沿いの遊歩道や観察小屋から観察することができます。私はつい先日の5月中旬にヘイマエイを訪れましたが、崖で休んでいるパフィンと会うことができました。つがいというよりかは個々で休んでいたので、これからパートナーと再会して子育てをするというタイミングだったのかなと思います。
<崖のシェルターで休んでいる姿をキャッチ!>
ヘイマエイは島全体がパフィンアートで溢れていて、島中歩くだけでも楽しめます。ただ5月中旬だとまだまだシーズン序盤なので思ったほどのパフィンは見られませんでした。さまざまなツアーも5月下旬に本格的に始まるようなのでやはり夏の島旅をおすすめします。
島へのアクセスですが、レイキャヴィックからLandeyjahöfn(ランデイヤホフン)というフェリー乗り場まで車でおよそ2時間。港からヘイマエイまではフェリーで約40分。レイキャヴィックから飛行機も飛んでいるようですが、車が主流です。レイキャヴィックから港までバスも走っていますがスケジュールがかなり限られるためあまりおすすめはしません。
南海岸でパフィンを見つけたい人:ディルホラエイ(Dyrhólaey)
南海岸はアイスランド観光の定番コースの1つですが、もちろん人気観光地でもパフィンを見られるチャンスはあります。
<ビューポイントから見られる景色>
ディルホラエイは南海岸屈指の絶景スポットとして有名です。こちらも海に面した崖なのでパフィンの観察スポットになっています。私が5月に訪れた時は1匹も見当たらなかったのですがおそらく夏場になるとたくさんのパフィンがいるのだと思います。
ここは風が強い場所としても知られていて、こちらに行く際はしっかりと防寒防風対策をされることをおすすめします。また、こちらは灯台なので開館時間が定められており早めにゲートが閉まることがあるのでしっかり確認してから行ってくださいね。
レイキャヴィック内でパフィンに会いたい人へ
レイキャヴィック市内でもボートツアーでパフィンを見るチャンスはあります。ツアーでは、レイキャヴィックの港から出航しパフィンが見られる島まで連れて行ってくれます。島に上陸はできないのでパフィンを間近で見ることは難しいと思いますが、一生懸命に飛んでいる姿(これがまた可愛い!)や海で泳いでいる姿をボートから見ることができます。レイキャヴィックに滞在しながらパフィンの姿を拝むことができるので、気軽に会いたい方におすすめです。
去年の7月にツアーに参加した際は、ボートからたくさんのパフィンを見ることができました。ボートの真上をビュンと飛んでいくパフィンを見られたのが良かったです。ただしあまり近くで見られなかったのと、その時の波がかなり激しく船酔いしそうだったので写真を撮ることができなかったのは今でも惜しんでいます。
<日本へのお土産、ほぼ全てダウンタウンにあるお店とスーパーで購入>
またダウンタウンレイキャヴィックではお土産やさんが豊富なので、さまざまなパフィングッズを見つけることができます。(アイスランド人はお土産屋さんをLundabúðin (パフィンショップ)と呼んでいる)
まとめ
いかがでしたか。
今回は少しディープで情報量多めな紹介になってしまいましたが、少しでもパフィンについてアイスランドについての情報を楽しんでくれたら嬉しいです。
文・写真・mimi/提供元・たびこふれ
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