鳴り物入りでデビューするも、すぐに鳴りを潜める「Ninja ZX-12R」
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懐古主義に陥るかと思われたカワサキですが、その一方で前衛的なバイクを発表します。「Ninja ZX-12R(2000年発売)」は、ZZ-R1100で成功したツアラー路線に別れを告げて、ピュアスポーツとして新たなフラグシップモデルに君臨しました。
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ZZ-R1100が乗用車なら、ZX-12Rはスポーツカー。ホンダCBR1100XX Super BlackBirdや、実測時速300km超を達成したスズキGSX1300Rハヤブサの登場によって明け渡した「市販車最速」を奪還するために誕生しました。初期モデルのスピードメーターは時速350㎞を刻み、タダモノではない雰囲気を醸し出しています。
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過激なパワーが仇になり、欧州で最高速度自主規制が導入されて時速299kmで作動するリミッターが導入され、スピードメーターも300km/hフルスケールに変更されました。また乗り手やステージを選ぶ扱いにくさもあり、人気車種になれないまま消えていきました。
23年ぶりに表彰台を獲得「Ninja ZX-RR」
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ZX-RRは、MotoGPクラスに2002年後半から2009年にかけて参戦したレーシングモデルです。チョロバイは、2004年モデル「ゼッケン56 中野真矢」「ゼッケン66 アレックスホーマン」を忠実に再現しています。
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カワサキは1982年を最後にロードレース世界選手権から遠ざかっていましたが、満を持して2002年からロードレース世界選手権「MotoGPクラス」に2002年後半から2009年に参戦を開始しました。初年度はスーパーバイク世界選手権でカワサキのエースとして活躍した柳川明(第13戦)と、アンドリュー・ピット(第14〜16戦)を起用。他社のGPマシンの水準に及ばず、思ったような成績を残せませんでした。
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2004年には、ZX-RRを刷新。ヤマハ系名門チーム「SP忠男レーシング」出身の中野真矢を迎え、アレックス・ホフマンとともに参戦。この年中野は、ツインリンクもてぎで開催された日本GPで、カワサキにとって23年ぶりの表彰台となる3位を獲得しました。