自民党 小林鷹之氏は次世代を担うか?

小林鷹之、49歳、元特命担当大臣(科学技術政策、宇宙政策、経済安全保障)担当、開成高校から一浪して東大法卒、ハーバードケネディスクール修了。財務官僚から議員に転じています。9月の自民党総裁選で若手の期待候補として名が上がります。といっても今年で50歳になるので誰と比べて若いのか、という相対的な意味合いです。彼が賢いかは知りません。よく「東大院卒、すげぇ!」と思う方がいますが、東大の院は東大に入るより全然簡単。一点集中主義で論文書ければいけちゃいます。ハーバードケネディスクールも日本人はその名前で圧倒されますがそんな学校は世界に掃いて捨てるほどあるので学歴は人物を語らないのです。

その小林氏、日経にインタビュー記事があります。「派閥の力学だけで今度の総裁が決まるとすると自民党の明日は絶対にないと思う」と述べています。まぁそうでしょうね。非常に悪い言い方しますが、下町の不良ばかり集まる中学校でも東大でもハーバードでも2:6:2の法則があります。つまりその集団の中にはできる人間とできない人間が2割ずついてあと6割が普通なのです。仮にできない2割の足切りしてもまた新たな集団では2:6:2の集団が自然にできます。これを自民党の中で当てはめても同じような比率が生じるわけです。

ところが政治は出来る奴も出来ない奴も関係なしの頭数が勝負のところがあります。派閥はこれをうまく利用した発想で自民党議員一つの組織よりも派閥に仕切り、小規模グループでやるほうが良さげに見えるのです。政治家業は学校のように勉学での優劣ではなく、声の大きさ、行動力、人脈、取りまとめる力、プレゼン能力あたりが重視されるので優勝劣敗がはっきり出ます。これを派閥制にすると「うちの派閥から大臣2枠あるのだけど、オタク、6期もやっているからそろそろ大臣、やってみる?」ぐらいの年功序列。選出の地元は達磨の片目を入れて「ついにおらが街からも大臣が出たぞー」ぐらいの感覚でしょう。そういう意味で岸田首相が派閥を実質的に取り除いたのは構造改革といえる大功績で、あと5年ぐらいすれば「あの時、岸田さん、大変だったけどよくやったよね」になるはずです。

後記 「イベントの夏、ヒロの週末が略奪される夏」です。8月終わりまでほぼ毎週末イベントが入っており、へたりそうです。バンクーバーは観光地なので夏、地元客は観光客に押し出される感じですが、その中を縫うようにイベントが並びます。先週末のイベントである大臣と話をしていたら「私だって夏はイベントが同じ日に複数あるから掛け持ち参加で挨拶だらけよ!」と。特に秋に選挙があるので今年は政治家は駆けずりまわっていることでしょう。私の今週末は60人BBQの企画側。頑張るぞー!

では今日はこのぐらいで。

編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2024年7月27日の記事より転載させていただきました。