問われるサントリーの社会的責任

 そんな西村氏の広告起用を受け、SNS上では以下のようにさまざまな声があがっている。

<よりによって裁判の賠償金踏み倒してる奴を起用してコンプライアンス大丈夫なのかこの会社>

<沖縄の民意を踏みにじる人を広告塔に使う企業>

<さすがに担当者の頭のなかが心配になるレベル>

<もはや、炎上しても話題になれば売れる、とばかりに意図的に炎上してるんだろうな。こうなってくると本当に会社としての体質だと思うし、売れれば何でもいいという姿勢は受け入れたくない>

<ただでさえ、これだけビンボになったら、ペットボトルの茶、売れなくなるだろうに、なんでわざわざこういう広告出すのかしら?>

<サントリー社長の新浪剛史は、キリンの不買運動から何を学ばないのか、ひろゆきを企業広告に起用するからセンスがなさ過ぎ>

<これでは買える道理がない>

<もうここまで来ると、敢えて煽る事にしたとしか思えん>

<キリンの成田悠輔の騒動をサントリーは他山の石にしなかったようだ>

 広告に起因する騒動としては、今年3月、キリンビールが缶チューハイ「氷結無糖」の動画CMなどに、かつて「高齢者は老害化する前に集団自決、集団切腹みたいなことをすればいい」という主旨の発言をした経済学者・成田悠輔氏を起用し、批判が寄せられたことを受けて当該広告を削除した件が記憶に新しい。

 食品メーカー関係者はいう。

「広告の内容や起用タレントについて社内のどのレベルの決裁が必要かは企業にもよるが、CM・広告が商品の売れ行きを大きく左右し、毎年大量の広告を投下する食品メーカーであれば、おそらく担当役員クラスまでの決裁は仰いでいると考えられる。またサントリーのようなしっかりとした大企業であれば、起用するタレントの経歴や過去に問題を起こしていないかなどを入念にチェックしているはずなので、物議を醸す可能性が高い西村氏のような人物をなぜ起用したのかは不可解という印象を受ける。

 西村氏には彼なりの考えがあって賠償金を払わなかったということなのだろうが、裁判所の判断を意図的に無視してそれに背くという行為は、社会通念上は許される行為ではないとみなされる。一民間企業がどのような広告を打つのかはその企業の自由だが、批判が巻き起こることが十分に予想される内容の広告を、なぜあえてリスクを背負ってまで打つ必要があるのかは疑問。社長が経済同友会で代表幹事を務めるような社会的責任の重い大企業の広告としては、不適切といわれても仕方ないだろう」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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