警察とは、社会の安全や公序良俗の維持を目的に、犯罪の取り締まりや捜査を行う行政機関のことである。警察機関は、国民に命令・強制して自由を制限できる逮捕権をはじめとする公権力を持つため、“正義の味方”として活躍している。しかし、世の中にはそんな“正義の味方”が、シリアルキラー(連続殺人犯)だったという恐ろしい例があるのだ。
●トー・ヘディン(Tore Hedin)
両親と元恋人など9人を殺害したスウェーデンの警察官。最初の1人目を殺したのは1951年11月。被害者を斧で殺したのち、家に火を放って逃走。そして、殺人と放火を専門に担当していたヘディンが最初に現場に駆けつけたという。1952年8月には、自身の両親をまたも斧で叩き殺し、こちらも家に火をつけた。その30分後、元恋人が務める老人ホームにも火をつけ、焼け跡からは6人の遺体が発見されることに。その6人のうち、同施設の婦長と元恋人は、火がつく前にすでに斧で叩き殺されていたことが判明した。犯行の翌日、ヘディンは自殺。見つかった遺書には、これら犯行の全てと「トー・ヘディン 殺人者」との署名が書かれていた。
●“ウエンズデー・キラー”ミハイル・ポプコフ(Mikhail Popkov)
22人の女性を強姦・殺害したロシアの元警察官ポプコフ。1990年末に離職しているが、事件の大半は現役のころ行われた。シベリアの南東部・アンガルスクで、通りを歩く女性にパトカーで家に送ると声を掛け、車上で暴行、その後刃物や斧で殺害し、遺体は林や道端、火葬場に棄てたという。事件の多くが水曜日に行われたため、現地では“ウエンズデー・キラー”と呼ばれていた。被害者は売春婦が多く、ポプコフ自身は「売春婦の清掃人」を自称。2012年に逮捕され、2015年に終身刑の判決が下された。
●クリストファー・ドーナー(Christopher Dorner)
ドーナーは、ロサンゼルス市警(LAPD)・射撃専門の元警察官で、「ロサンゼルス史上最悪」といわれる事件を起こした。自身を解雇した元警察官と、その家族の殺害、そしてLAPDに戦争を仕掛けることを表明。警察官2人を含む4人を殺害し、4人を負傷させ、指名手配になったドーナーには、史上最高額の100万ドルの懸賞金がかけられた。6日間にわたり逃走したドーナーだったが、最後は山小屋に追い詰められ、特殊部隊など警官200人に取り囲まれ銃撃戦になったのち、小屋が炎上。焼け跡から焼死体となったドーナーが発見された。
●ジョン・クリスティ(John Christie)
元警察事務官で特別警察官だったクリスティは、立証できただけで8人を殺害した殺人鬼であり、通称は“ノッティング・ヒルのモンスター”だ。1953年、とあるアパートの一室で悪臭騒ぎが起こり、警察が調べたところ、部屋の壁から3体、床下から1体、裏庭から2体の死体が見つかった。警察は1カ月前までその部屋に住んでいたクリスティを逮捕。自供により、妻を含む6人の殺害が明らかになった。また、妻と子どもを殺害したとされ、50年に死刑が執行されたティモシー・エヴァンスによるものとされた事件の真犯人は、クリスティだと結論付けられた。エヴァンスは免罪の可能性が高かったとして死後恩赦。この「エヴァンス事件」は、イギリスの死刑廃止に大きな影響を与えることに。クリスティは“イギリス史上最も有名な犯罪者”とも呼ばれるようになった。
●ブラジル警察
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、2010年~15年までに「リオデジャネイロ市内で起きた殺人のうち、16%にあたる1519件が職務中の警察官によるもの」との発表があった。世界最悪の治安といわれるブラジルでは、犯罪組織と軍警察の衝突がたびたび起こる。“悪人は死んでも当然”との考えから、ブラジル警察は容疑者を即射殺。さらに、その銃撃戦の流れ弾に当たって亡くなる民間人も少なくない。北東部のバイーア州では、強盗の通報を受け出動した軍警察が住民と衝突し、罪を犯したという証拠がない12人の若者の命を奪ったという事件も発生している。
※当記事は2016年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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