2024年7月現在、ロシアによるウクライナ侵攻は依然として継続しており、国際社会はその対応に追われている。ロシアのプーチン大統領は“国家存続の危機なら核兵器使用を辞さず”としており、核戦争の危機が高まっているようにも見える。もしも現実化すれば、ロシア・中国・北朝鮮といった核保有国に囲まれている日本に向けて核兵器が発射される最悪の事態も考えなければならないだろう。その時、当然のことながら第一の標的は首都である東京となる可能性が高い。まさに悪夢としか言いようのない事態だが、今こそ目を背けず“その時”のことを冷静に分析する必要があるかもしれない。今回は2018年3月の記事を再掲する。
自分の街が核兵器に攻撃されたら一体どうなるんだろう? そんな想像をしたことのある方も多いだろう。2018年、誰でも簡単に使える核兵器の使用シミュレーターがインターネット上で公開された。核兵器の種類や場所を入力するだけで被害の範囲や死傷者数を手軽に推定できるとあって、英「Daily Mail」で報じられるなど話題となっている。
■核兵器被害シミュレータ
核兵器の被害を簡単に推定できるサイトを公開したのは米国のNPO法人アウトライダー財団だ。使い方は簡単だ。場所を指定すると、そこに核兵器が投下された場合の火球の大きさや放射線、衝撃波、熱線の影響が届く範囲を地図に重ねて示してくれる。
核兵器の種類を変えることもでき、対応しているのは広島に落とされたリトルボーイ、北朝鮮のICBM火星14(Hwasong 14)、米国のICBM用核弾頭W-87、そして旧ソ連が開発した史上最大の水素爆弾ツァーリ・ボンバの四種類だ。核爆発が地表か空中かも選択できる。
では早速、東京駅に火星14が撃ち込まれ、空中で核爆発したというシミュレーションを試してみよう。
シミュレーションによると、推定される死者は296,299人、負傷者は1,003,412人。火球は0.25平方マイル(0.64平方キロメートル)で東京駅周辺は数百万度の熱に覆われることになる。大手町や有楽町、神田などを含む地域が強烈な爆風と放射線に襲われる。火球は膨張して周辺13.21平方マイル(34平方キロメートル)に衝撃波を巻き起こし、隣の墨田区や台東区まで及ぶ。さらに、人間の体に致命的な火傷を起こす熱線は新宿区や港区まで届くようだ。
兵器の種類を変えて、その威力の違いを見るのもまた興味深い。米国のW-87をシミュレートしてみると、推定死者数は火星14を遥かに超える574,895人となり、熱線は渋谷区や荒川区まで届くようだ。旧ソ連のツァーリ・ボンバを使用した結果はさらに強烈だ。推定死者数は10,316,305人で、建物をも吹き飛ばす衝撃波は23区全域に及び、熱線は隣の埼玉県や神奈川県、千葉県までをも襲うという。
■核兵器の恐怖をなくすために
アウトライダー財団のタラ・ドロズデンコ氏は、シミュレーターを開発・公開した目的について、人類が現在直面している課題について意識を高めたいのだと米「Gizmode」に語っている。
「危険を理解することは安全な未来に向けて変化を起こす第一歩です」(ドロズデンコ氏)
日本人なら誰もが広島・長崎に落とされた原爆の恐ろしさを知っている。世界情勢がきな臭くなりつつある昨今であるが、核兵器が使用される事態だけは避けたいものだ。
参考:「Daily Mail」、「Outrider Foundation」、「Gizmodo」、ほか
※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。
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提供元・TOCANA
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