不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ/運営・株式会社LIFULL)」は、2024年の神奈川県・千葉県・埼玉県の新築マンションの平均価格を市区町村単位で調査し、発表しました。

首都圏で上昇を続けているという不動産価格。なかでも東京23区内の新築マンションの平均価格は1億円を超えているといいます。

住宅ローン金利の増加も相まって子育て世代、ファミリー世帯が、東京都内に通勤・通学がしやすい神奈川・埼玉・千葉の3県へ転出する傾向があるそうです。

LIFULL HOME'S総研副所長で、チーフアナリストをつとめる中山登志朗氏の見解とともに、各県の結果を紹介します。

厚木の上昇幅が顕著

神奈川県の新築マンションの平均㎡単価1位は「横浜市中区」の173.0万円で、2023年1~5月と2024年1~5月のデータと比較した対前期比として算出すると、112.4%となりました。

横浜市では、同区に限らず横浜駅周辺のタワーマンションを中心に高水準での分譲が行われているそうです。

2位は「厚木市」の132.8万円。前期比184.9%は、対象の3県のうち、最大の上昇幅を示します。これは、本厚木駅徒歩1分の場所に1億円を超える住戸を含む総戸数238戸のマンション分譲が実施されていることが要因だといいます。

3位は「川崎市中原区」の132.7万円(同138.5%)と㎡単価130万円台が続きます。

埼玉も全体的に上昇傾向

埼玉県では、平均㎡単価1位は「新座市」の122.0万円で前期比128.4%。「さいたま市大宮区(110.8万円)」、「さいたま市浦和区(110.6万円)」と続きます。

中山氏によれば、東京都や神奈川県と比較すると物件価格が安価な水準で推移する埼玉県でも価格上昇は顕著で、TOP10内6つのエリアでは前年同期比で上昇が見られていることがわかるといいます。

この変化は、円安による資材価格の高騰や建設業・運輸業の2024年問題に起因する人件費の上昇などが、首都圏郊外エリアでのマンション価格を大きく押し上げている要因となっているという見解を示しています。

コスパ最強は千葉?

千葉県の結果を見ていきましょう。都心方面にアクセス容易な千葉県西部エリアが㎡単価上位を占めているようです。



「市川市」の111.2万円(前期比109.7%)に続き、2位は「浦安市」の100.1万円、3位には「千葉県稲毛区」の94.7万円が並びました。

平均㎡単価は77.4万円と、首都圏3県のなかで最も安価な千葉県。㎡単価が80~70万円のエリアがTOP10にランクインしています。



さらに、千葉県全体での平均専有面積は72.06㎡と、隣接3県の平均と比較して最も広く、住まいに広さを重視する場合には、候補として見逃せないエリアだと紹介されています。