日本の若者は海外と比べても自己肯定感や社会参画への意欲が低く、希望を抱きにくい――。

そんな状況を改善すべく、これまでにない“新しい学びの場”として、社会での課題解決を実践的に学ぶ機会を提供することに注力した通信制高校サポート校「HR高等学院」が2025年4月に開校します。

運営するのは、株式会社NTTドコモから事業をスピンアウト(企業が特定の部門を切り離し、独立させること)した株式会社RePlayce(リプレイス)。共同創業者として起業家の成田修造氏を迎え、日本の教育改革に挑みます。


成田修造氏

自律性をいかにつくるか

同社によると、社会人に求められる能力は、非認知能力(知能・学力検査では測定できない能力)と自律性だといいます。同社の山本将裕代表は、「(若者の)自律性をどうつくっていくかが『1丁目1番地』の課題」と指摘します。


6月19日(水)に行われた「HR高等学院」学校説明会後、トークセッションで話す成田氏(左)と株式会社RePlayceの山本将裕代表(右)

偏差値教育を重視する日本の教育を変えないと「この国の未来はない」ものの、「学校現場で基礎科目を教えていた人が急には変われず、人手も不足している」として、スタートアップ企業である同社が、学校を設立することを決めたそうです。

なお、生徒はHR高等学院と同時に、提携する通信制高校にも入学することとなり、単位を取得したうえで高校卒業資格を得られるといいます。

HR高等学院で学べることとは?

HR高等学院では、“先生”ではなく、社会の第一線で豊富な人材経験を培った“大人たち”が学びの伴走者として生徒に向き合うといいます。

現在計画中のプログラムでは、午前は英語や数学、国語などの教科学習を実施。午後からは「本当に必要な教養科目」やプロジェクト型学習、キャリア形成の機会を生徒に提供します。

具体的には、さまざまな業界の大手・ベンチャー企業と連携した問題解決型学習プロジェクト「企業連携PBL」、各業界の第一線を切り開いてきたという“イノベーター講師”と講義や対話を通じながら「これからの時代を楽しく生き抜く」ためのマインドやスキルを学ぶ「イノベーターセッション」などがあるそうです。

イノベーター講師は、現在のところ成田修造氏や、リサイクル技術関連事業に取り組む株式会社JEPLANの岩元美智彦代表取締役会長、元テレビ東京アナウンサーの原田修佑氏らが務めることが発表されています。