サーキュレーターを購入しようと検討しているものの、扇風機との違いやサーキュレーターの選び方がわからないという人もいるでしょう。この記事では、自分に合ったサーキュレーターを選べるように、サーキュレーターと扇風機の違い、サーキュレーターの選び方を詳しく解説します。
そのほか、おすすめのサーキュレーター4選も紹介するので、商品選びの参考にしてください。
サーキュレーターと扇風機の違い
サーキュレーターとは、直進性の高い風を起こし、空気の循環を促すための家電のことです。直接人に風を当てるのではなく、空気の流れを作ることが目的のため、年間を通して使えます。
では、サーキュレーターと扇風機の違いはどこにあるのでしょうか。どちらも風を送り出して涼をとる家電という意味では同じですが、用途と風を送れる範囲に違いがあります。
サーキュレーターの役割は、部屋の空気を循環させることです。直進性の高い風を送り出すことで、室内の空気を循環させます。扇風機と比較して、風を送れる範囲は狭くなっています。
一方の扇風機の目的は、体に風を当てて涼をとることです。風を広範囲に送るため、大型ファンや首振り機能を備えたモデルが多くなっています。直接人に当てる性質上、やさしい風を送れるのが特徴です。なお、扇風機の風が拡散されやすいため、空気の循環には力不足である点には注意しましょう。
ちなみに、サーキュレーターと扇風機の違いは下記の記事でより深く解説しています。よければこちらも参考にしてみてください。
サーキュレーターの魅力
サーキュレーターの主な魅力は、以下の3点でしょう。
■電気代の節約に役立つ
■効率的に換気できる
■部屋干しの衣類を効率よく乾燥できる
1つめの魅力は、電気代の節約に役立つ点です。強力な気流を生み出す力を持つサーキュレーターは、室内の空気を循環させるのにもってこいの家電といえます。足元にたまった冷たい空気や天井付近の暖かい空気など、たまっている空気をサーキュレーターで撹拌させることによって空気を循環させ、室内の温度を均一にすることが可能です。
なかでも、エアコンと一緒に使うのは効果的といえます。室内の温度が均一であれば、設定温度も冷房時は高めに、暖房時は低めにできるでしょう。設定温度を上げたり下げたりすることが少なくなるため、電気代節約につながります。
2つめの魅力は、サーキュレーターを使用することで効率的に部屋の空気を換気できる点です。サーキュレーターが発生させる直線的な風は、周囲の空気を巻き込みやすいという特徴を持っています。そのため、窓の外に向かってサーキュレーターから風を送るだけで空気が動いて換気を行うことが可能です。
3つめの魅力には、衣類を部屋干しした際に効率よく乾燥できる点が挙げられます。部屋干しするときには、サーキュレーターが大活躍です。部屋の空気を循環させたり、直接衣類に風を当てたりすると、湿気対策や生乾きのニオイ対策として効果を発揮してくれます。
部屋干しに使用する可能性がある人は、風量が強いモデルを選ぶとよいでしょう。
サーキュレーターのタイプ
サーキュレーターは、床に置いて使うのが一般的です。しかし、置き場所に合わせていくつかタイプがあるため、各タイプの違いも理解しておきましょう。主なタイプは、以下の4つです。
■コンパクトタイプ
■ハイタイプ
■壁掛けタイプ
■照明一体タイプ
コンパクトタイプは、一般的なサーキュレーターのタイプです。球形をしているものが多く、強力な風量を持つモデルもあります。狭い部屋で使用する場合には、おすすめです。
扇風機のような形をした、背の高いタイプがハイタイプです。洗濯物を部屋干しする機会が多い人には、ハイタイプをおすすめします。高い位置に吊した洗濯物に風をあてられるため、便利でしょう。
壁掛けタイプは、本体を壁に取り付けて使うタイプです。ただし「場所を変えられない」「壁に取り付け用のネジ穴を開けなくてはならない」というデメリットがあります。
照明一体タイプは、天井の照明と一体になっているモデルです。照明と空気の循環を一緒に行える点はメリットですが、天井の低い部屋では圧迫感を覚える恐れがあります。
サーキュレーターの電気代
さまざまなシーンで役立つサーキュレーターですが、電気代も気になるところでしょう。サーキュレーターの電気代は、扇風機使用時の電気代と大差はありません。使用するメーカーやモデル、風量などによって多少変動するため、メーカーが公表している電気代を目安に考えるようにしましょう。
電気代は、次の計算式で求められます。
電気代 = 消費電力量(kWh)×電気代の単価(円)
仮に1時間あたりの消費電力が21Wの製品の場合、1時間あたり約0.65円、24時間では約15.6円となります(全国家庭電気製品公正取引協議会が規定している電気料金の目安:31円/kWhを参考)。
参考:公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会=https://www.eftc.or.jp/
サーキュレーターの選び方
サーキュレーターと扇風機の違いを理解したところで、続いてはサーキュレーターを選ぶ際に押さえておきたいポイントを紹介します。ポイントは、以下の4点です。
■適用畳数
■モーター
■お手入れ
■その他機能
適用畳数
まず、サーキュレーター選びで大事なのが適用畳数です。エアコンでよく表記されているためご存じの人も多いかもしれませんが、適応畳数とは、どれくらいの広さの部屋で使用するのかを想定した数値のこと。「◯畳」と使用する部屋の広さの数字が定まっている場合と、「◯~◯畳」と広さの範囲で記されている場合があります。
たとえば、適用畳数6畳の商品であれば、6畳程度の部屋に適した風量のモデルということです。サーキュレーターでは、適用畳数にプラスして、到達距離を表示しているモデルもあります。到達距離とは、何メートル先まで風が届くかを表す数値です。
到達距離の数値が短いと、空気を十分に撹はんできません。設置予定の場所の壁から壁までの距離を測って、それに合ったモデルを選ぶようにしましょう。
注意したいのは、サーキュレーターの適応畳数に統一された明確な基準がないことです。そのため、表示されている場合はメーカーが示している目安の数値となります。違うメーカー同士で適応畳数が同じ製品でもパワーなどが異なる可能性があるため、参考値として捉えておくようにしてください。
モーター
サーキュレーターに使用されているモーターは、ACモーターとDCモーターの2種類です。それぞれ性能や特性が大きく異なるため、購入前にどちらがいいかをよく検討して選ぶようにしましょう。
ACモーターは交流方式を採用したモーターで、多くのモデルで採用されています。モーター自体が安価なため、本体価格が抑えられるのが魅力です。ただし、DCモーターと比較して、動作音が大きい傾向にあるほか、消費電力も高いのがデメリットといえます。コストパフォーマンスに優れたモデルを探しているのであれば、ACモーターモデルがおすすめです。
DCモーターは、車のバッテリーや乾電池などと同じ、直流方式を採用しています。ACモーターに比べて消費電力が低く、細かな風量調整ができるのが特徴です。微風から強風まで、幅広い風量の風を生み出せます。
また、動作音が静かなDCモーターのモデルは、一日中使う可能性のある人や部屋で仕事をすることが多い人などにおすすめです。ただし、ACモーターのモデルと比べると本体価格が高いのがデメリットかもしれません。
お手入れ
サーキュレーターを選ぶ際は、お手入れのしやすさにも注目しましょう。サーキュレーターは、床に設置して使うことが多い家電です。また、空気と羽根との摩擦で静電気が発生し、ホコリがたまりやすい性質も持っています。
また、サーキュレーターは風力が強いという特性上、ファンカバーなどがビス留めされていることが多く、分解掃除がしにくいのがデメリットです。
モデルによっては、工具を使わなくても分解ができ、カバーやファンなどの部品を水洗いできるものもあります。なかには、カバーやファンなどのパーツを全て分解でき、水洗い可能なモデルなどもあるようです。
扇風機と同様に、サーキュレーターはファンやカバーにほこりがつきやすいため、簡単に掃除ができるモデルを選ぶといいでしょう。
その他機能
近年のサーキュレーターは、便利な機能を複数搭載しているのが特徴です。ここでは、あると便利なその他の機能について解説します。
多くの機種で搭載されている、主な機能は以下のとおりです。
■首振り
■静音
■リモコン
■タイマー
首振り機能は、サーキュレーターの風向きを変えられる機能です。左右に首を振るタイプや上下左右にも首を振るタイプなど、さまざまなモデルが存在します。首振り機能があれば、部屋干しの洗濯物に風をあてられるほか、広範囲の空気を撹拌できます。
静音も、サーキュレーターを使用する際はチェックしたい機能です。サーキュレーターは扇風機に比べて動作音が大きめのため、動作音が気になるかもしれません。製品によっては静音運転を謳っているタイプや、動作音の目安を表示しているタイプもあります。
リモコンが付いているサーキュレーターであれば、広い部屋で使いたい場合などでも操作を楽に行えるでしょう。一般的には本体の操作パネルで行いますが、リモコン付きのモデルであれば、部屋の隅からでも操作を行えます。近年は音声認識機能を搭載していて、声をかけるだけで操作できるモデルもあるようです。
タイマー機能を搭載したモデルであれば、部屋干しの洗濯物に風をあてたまま外出したりサーキュレーターを稼働させたまま就寝したりできます。タイマー機能は、指定時間に電源が入る「オンタイマー」と、指定時間後に自動的に運転を停止する「オフタイマー」の2種類です。