生命保険は本来個々人の状況をもとに検討すべきだが、他人の加入内容を参考にしたい人もいるだろう。生命保険文化センターには、さまざまな情報が掲載されている。今回は、生命保険にまつわる主なデータをまとめてみた(2019年5月現在掲載データより)。

生命保険加入率の平均は40代で90%

日本は生命保険の加入率が高く、全世代の平均は男女ともに80%を超えている。

20歳代は60%弱と低いが、それ以外はすべて80%以上だ。40代と50代では90%近くであり、日本人にとって生命保険がどれだけ身近な金融商品かがわかる。

生命保険に加入する目的の1位は「医療保障」

加入する目的によって、必要な生命保険の種類は変わる。一般的に、どのような目的で加入する人が多いのだろうか。

  • 医療費や入院費のため……57.1%
  • 万一の時の家族の生活保障のため……49.5%
  • 万一の時の葬式代のため……15.4%
  • 老後の生活資金のため……10.8%
  • 貯蓄のため……8.6%

    これらは複数回答による上位5つだが、医療保障と遺族のための死亡保障が圧倒的に多かった。医療保障が1位なのは、病気やケガは世代に関わらず抱えるリスクだからだろう。死亡保障については、結婚していなかったり、子どもが独立していたりする場合もあるため、医療保障と比べると必要性を感じる人が少ないのかもしれない。

生命保険の1世帯あたりの平均加入件数は3.9件

1世帯の加入平均件数は3.9件で、世帯主に限れば1.9件である。

件数から加入内容を予想すると、夫の死亡保障と医療保障、妻の医療保障、将来のための貯蓄性保険といった内容が多いのだろう。共働き世帯が増えていることを考慮すると、妻が死亡保障にも加入しているケースも増えているはずだ。

生命保険の年間保険料の平均は男性で22万8,000円

生命保険の年間払込保険料の平均は、男性が22万8,000円、女性が17万4,000円だった。

金額の分布では、男性は「12~24万円未満」、女性は「12万円未満」が多い。月々に直すと、男性が「1~2万円」、女性が「1万円未満」になる。これには個人年金保険の保険料も含まれているため、純粋な保障以外の保険料もデータに反映されている。

生命保険の加入金額の平均は40代男性で2,396万円

生命保険の加入金額の平均は、男性が1,793万円、女性が794万円だった。

世代別平均が高かったのは、男性40代の2,396万円、女性30代の914万円だ。金額のボリュームゾーンは男女ともに30~50代となっており、ライフイベントの重なりやすい時期は保障ニーズが高いことがうかがえる。

加入金額は、男性は「1,000万円以上1,500万円未満」が多い。その次に多い「3,000万円以上5,000万円未満」と「500万円以上1,000万円未満」を合わせると約50%を占める。女性の加入金額は、60%近くが1,000万円未満と比較的集中している。

女性の金額が男性と比べて低いのは、一般的に女性の収入が平均より低いことや、男性が家庭の主な収入源であるためと考えられる。男性の加入金額は2,000万円以上も30%を超えており、女性と比べてバラつきがある。本人の年収や世帯状況が加入金額に影響しているのかもしれない。

平均データは参考にとどめて自分に適した生命保険を検討する

紹介したのは、生命保険に関する一部の平均データだ。自分が加入する生命保険の内容が平均と近くて安心した人もいるかもしれない。しかし、保険でカバーすべき保障内容は人によって異なることを忘れてはいけない。データはあくまでも平均であり、適切な内容というわけではない。生命保険を検討する時は、自分に必要な保障を考えて設計すべきだ。

文・國村功志(資産形成FP)
 

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