バーチャル開発システムを駆使して設計
ピレリジャパンは、2024年7月より新Cinturato All Season(チントゥラート・オールシーズン)SF3を順次発売すると発表した。国内発売サイズは16インチ~19インチの35サイズ、オープン価格。
新しいピレリ・チントゥラート・オールシーズンSF3は、一年中安全なソリューションを必要とする、都市部在住の中型車・小型車のドライバー向けに開発されたという。設計にはバーチャル開発システムが駆使され、さまざまな気象条件下でブレーキング時の高レベルのコントロール性能を実現したとのことだ。
このタイヤは全サイズ(発表時発売予定サイズ数)で、欧州タイヤラベリングのウェットグリップ最高評価「A」を取得。 雪上でのコントロール性能も、厳しい冬の条件で認定されたタイヤであることを示す3PMSF マーキングによって証明されているという。
このチントゥラート・オールシーズンSF3 は、乾燥した路面において、冬タイヤよりも夏タイヤに近い安定性、静粛性、転がり抵抗を確保、その多用途性はドイツの独立認証機関DEKRA(デクラ)のテストによって確認され、複合ブレーキ (ドライ、ウェット、雪の各条件を考慮)においても高評価を獲得しているとされる。そして、TÜV SÜD(テュフズード)認証機関からも、さまざまな走行状況における強みを評価され、認定マークを授与されたとのことだ。
アダプティブトレッドによるグリップ力と快適性
チントゥラート・オールシーズンSF3は、3Dサイプを備えたアダプティブトレッドテクノロジーを前モデルから継承、タイヤの寿命を通じて雪上でのグリップ力を向上させるためにさらに改良が図られている。
タイヤが摩耗するとサイプの形状が直線からジグザグパターンに変化し、トレッドの深さが減少しても雪を捉える表面積が増加、また、サイプはタイヤを通して伝わるエネルギー量に応じて開閉し、必要に応じて冬用の形態から、より硬くコンパクトな夏用のパターンに変化することが可能で、これによりブレーキ性能、ロードホールディング性能、ドライビング精度が向上するという。
前世代と比較して、より広い溝とより鋭角な方向性トレッドパターン設計も雪上性能の向上に寄与、これらは雨天時の水の排出にも役立ち、ハイドロプレーニングのリスクを軽減させるとのこと。このシーランド比の最適化により、快適性も向上したとしている。また、欧州タイヤラベリングの騒音に関して「A」または「B」のグレードを獲得した。
幅広い温度域で効果を発揮
革新的な素材の採用によりトレッドパターンの溝の進化も可能に。一般に、幅広の溝を採用するとサマー性能に関しては最適なパフォーマンスが損なわれるが、オールシーズンSF3に使用されているコンパウンドは、高温下でもタイヤの剛性、安定性、応答性のバランスを保つことができるとのこと。これは、ドライブレーキングで高評価を得たDekraテストによっても裏付けられているという。
同時に、この新しいタイヤは寒さの中でコンパウンドが硬化しないため、冬でも同等の効果を発揮し、グリップ力が向上するとのことだが、これは革新的な材料成分の導入によるとされている。寒冷時に高い運動性能を維持しながらも、高温時には適度な硬さを保つことができる特殊な微細構造を持つポリマーの新配合、低温時のグリップを確保する天然由来の新樹脂、濡れた路面でのグリップ力を損なうことなく雪上性能を最大化するリキッドポリマーなどがそれである。
バーチャル開発システムでの設計
バーチャルモデリングの使用は設計プロセス全体を通じて基本となっており、コンパウンドとトレッドパターンの設計を並行して開発できるため、それぞれの特性が連携して望ましい結果を達成することが可能になるという。仮想化により、タイヤにかかる物理的応力の分布を正確に設計することも可能になった結果、エネルギーは接地面積全体に均等に分散され、摩耗、騒音、転がり抵抗の点で一連のメリットが得られるとのことである。
これにより、タイヤ寿命が伸び、運転の快適性が向上し、燃料消費量と関連する排出ガスが改善されるという。チントゥラート・オールシーズンSF3には、BEV・PHEVの特性を高める技術を搭載したタイヤであることを示す、Electマーク付きサイズも用意されている。 ピレリは、SUVなどの高重心車用に、オールシーズンを含むさまざまなシーズンに向けたバリエーションを持つScorpionシリーズを用意していくとしている。
文・CARSMEET web編集部/提供元・CARSMEET WEB
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