タバコは、喫煙者本人の健康に悪影響を及ぼすだけでなく、副流煙を吸わされる受動喫煙による健康被害も問題視される。日本では、2018年7月18日に改正健康増進法が成立し、屋内での喫煙が大幅に制限された。喫煙者はタバコの吸い殻をポイ捨てすることが多く、これがトラブルを引き起こすことも少なくない。
2024年3月15日、露ダゲスタン共和国ハサヴュルトフスキー地区で、爆発で2人が死亡する事故が起こった。このときの様子を捉えた映像が海外の過激動画共有サイト「theYNC.com」などで公開されている。
監視カメラ映像には、車の外でタバコを吸っている2人の男性らの姿がある。彼らが吸殻を排水溝に捨てた次の瞬間、爆発が起こった。煙に覆われた画面からは、2人の男性らがどうなったのかは不明だ。続いて、事故現場を歩いて撮影した映像に切り替わる。辺りには瓦礫が散乱し、布をかぶせられた2人の遺体が横たわっていた。車のボンネットの上にあるコンクリート片は爆発の威力を物語っている。
ダゲスタン調査委員会の報告によると、住宅および公共サービスの従業員2名が、技術的な作業を行うために住宅前に到着したが、「安全上の注意事項を遵守しなかった結果、下水管内でアセチレンガスと空気の混合気体が爆発し、その結果、従業員2名が死亡した」という。
アセチレンガスは、カルシウムカーバイド(炭化カルシウム)と水を反応させると発生する。可燃性の気体で、空気と混ざると爆発する危険性がある。ハサヴュルトフスキー地区の爆発事故では、アセチレンガスが下水管内に発生していた原因は明らかではない。しかし、同様の事故は日本でも起こったことがあるので参考になるだろう。
2014年5月20日、大阪市浪速区の路上で、男性が格子状のマンホールにタバコの吸い殻を捨てたところ、マンホールが炎上した。男性は顔や腕にやけどをする軽傷を負った。複数メディアの当時、炎上したマンホールの下には大量のごみが捨てられていて、下水道の水量も少なかったことからメタンガスが発生した可能性があると報じた。一方、近隣の温泉施設からマンホールの底に高温の排水が流れて込み、ガスが発生した可能性を指摘する報道もあった。
下水道の汚水やごみが腐敗してガスが発生したり、近隣施設からガスが漏れたりして、それに引火すると爆発・炎上することがあり得るのだ。
このように危険なタバコのポイ捨ては、マナー違反にとどまらず、廃棄物処理法や軽犯罪法に違反し、さらには地方自治体によっては条例にも違反する。ポイ捨てによって火事を引き起こすと、刑法の失火罪が成立する。火事によって死傷者が出れば、同法の過失致死傷罪も成立する可能性がある。
喫煙者は、ポイ捨てのリスクを十分に理解した上で、灰皿のある場所でタバコを吸うことを徹底してほしい。
参考:「Радио 1」、「J-CAST ニュース」、ほか
文=標葉実則
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提供元・TOCANA
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