紀元前から語り伝えられている一本足のヒューマノイドUMA「スキアポデス」とは何者なのか――。
■謎の一本足ヒューマノイド「スキアポデス」とは?
神話上の一本足のヒューマノイドUMAである「スキアポデス(sciapodos)」は紀元前にさかのぼり、古代アテナイの喜劇詩人、アリストパネス(紀元前446頃-紀元前385頃)が紀元前414年に手がけた戯曲『鳥』の中で最初に登場している。
その後、古代ローマの博物学者、政治家、軍人であったプリニウス(23-79)が『博物誌』でスキアポデスについて詳しく言及している。
それによれば、インドに何人かのスキアポデスが暮らしており、一本足の彼らはジャンプ力に優れ、機敏に動くことができる。
彼らは晴れた暑い日に、その大きな足を空中に上げて日傘のようにして日光を遮り横たわって休んでいるという。彼らのこの習性から、“影の足”を意味するギリシャ語の「スキアポデス」が彼らの呼称となった。
その生息場所はさまざまで、ティアナのアポロニウス(15-98)は、ヒンズー教の賢人イアルカスとの会話で、彼らがインドに住んでいたと認めている。
ローマ帝国末期のキリスト教史家、エウセビオス(263頃-339)によれば、かつてピロストラトス(170頃-240頃)は彼らが「意志に反して引きずり込まれた者だけが入る」土地であるエチオピアまで分布していると述べていたという。
中世になると、このスキアポデスやブレムミュアエなどのヒューマノイドUMAは異国の危険な野蛮人として描かれるようになった。
4世紀、聖アウグスティヌスはノアの子孫がこの怪物のようなヒューマノイドを生んだのではないかと疑問に思い、彼らは膝を曲げることさえできないのだと語ったという。
セビリアの神学者、イシドールス(560頃-636)は、スキアポデスはエチオピアに生息しているとコメントした。
人間の身体が二足歩行であり、ギリシア彫刻の人物像のような垂直の姿勢が秩序と美徳を表すとすれば、足が一本少ないことは無秩序、悪、悪徳の比喩であり、それは異国を旅行中に直面する危険をも意味したという。
ブルゴーニュのサン・パリゼ・ル・シャテル教会の柱、オーヴェルニュのスヴィニーにある柱などの中世の宗教建築にスキアポデスが表現されているが、最も有名なものは、『ニュルンベルク写本』に記載されているスキアポデスだ。
中世においてキリスト教から遠く離れた住民である異教徒との出会いは、伝説や誇張されたストーリーとなり、歴史上多くの神話上の怪物を生み出した。スキアポデスがはキリスト教徒たちの異国や異教徒に対する恐れと想像力の産物ということになるのだろうか。この謎の一本足ヒューマノイドが未だ見ぬUMAである可能性はゼロではないとも思いたいものだ。
参考:「espaciomisterio」ほか
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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