古代ギリシャから伝えられてきた神秘的な獣、ユニコーン。額に一本の角を備えた白馬の姿をしており、どの馬や鹿よりも早く駆けるという。その角は解毒の力を持ち、万病に効く薬とされた。優美な見た目とは裏腹にかなり獰猛で、ゾウすら倒すことができる。飼い慣らすこともできないが、唯一処女のみが言うことを聞かせられるため、捕獲の際には若い女性を連れていくと良いと言われていた。

 そんな幻獣のユニコーンの姿が、なんとアメリカはアリゾナ州の森の中で見つかった!?として話題になっている。

 11月頭、アリゾナ州野生動物当局は化石の森国立公園で動物用監視カメラが撮影したとある画像を公開した。そこには茂みの中から顔を出す一頭の鹿の姿が捉えられていたのだが、額から細い一本の角が生えているのだ。

 この動画を公開した国立公園の職員によれば、この『ユニコーン』の姿は満月の日に撮影されたものだという。同国立公園の公式フェイスブックページにも「満月は公園のユニコーンを呼び出す」とのコメントが併記されていた。

 本当に伝説の生き物が実在したのかと思ってしまうかもしれないが、ユニコーンの正体は大方の予想通り、単なるヘラジカだそう。しかし、ヘラジカと言えば大きく広がり、枝分かれした立派な二本の角を有しているものだ。この個体が一本角になってしまったのには特別な理由があると国立公園の職員は語る。

「この若い雄のヘラジカ(Cervus canadensis)は、先月の満月の日に公園の狩猟カメラの1つに捉えられました。当歳の雄のヘラジカが最初に生やす角のセットは、通常は枝のない単一の梁であり、このような角を備えた若いオスは一般に『スパイク』と呼ばれます。鹿の角の脱落は通常、冬の終わりか春の初めに起こりますが、闘争や栄養不足、またはテストステロンレベルに影響を与える病気や怪我によって早期に角の喪失が引き起こされる可能性があります」

 つまり、まだ枝分かれしていない角を持つ若い個体が、何らかの要因で片方だけ角が早く落ちてしまった結果、ユニコーンを思わせる見た目になったというのが結論のようだ。事実、他のアングルの画像からは左側の角のみが残っている様子が見てとれる。ちなみにユニコーンになってしまった鹿の角は来年になればまた両方が生えてくるとのことだ。

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【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】

文=加藤史紀(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)

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提供元・TOCANA

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