「守破離」という考え方がある。日本の茶道や武道などにおける師弟関係の在り方と考えられている。発展、進化する際の思想としても考えられている。

最初は、師匠の言いつけを守るところからはじまり、その後、自分なりの応用を加味することで、自分にあった型をつくりあげることができる。たとえば、茶道や武道には新たな流派が多い。これは、自分を型が新たな流派につながっているためである。

誰かに弟子入りしたら、まずは師匠に言われた、「型」、を覚え、「守る」ところから修業が始まる。その後、教わった型をさらに研究して発展させ、より自分に合った型が完成すれば既存のものを「破る」ことにある。

最終的には、師匠の型、自分自身の型の双方を極めたことでさらに高みへと昇り、その道の本質をつかんで、型から「離れ」て、自由自在に動くことができるようになる。ここまでいくと、武道や茶道において、新たな流派が誕生し派生していく。

これは、現代にも通じる成功の鉄則である。うまくいっている人のノウハウを100%しっかり守る。それで少し成功したら、今度はちょっとその枠を超えて、いろいろな人、ものを見て、取り入れて、自分なりのやり方を「構築・発展」させ破ってみればいいのである。

そうやっていいものを見つけ、増やしていくと、自分だけの成功のノウハウとなっていく。とくに若い方は、「守破離」の精神を忘れずに常に挑戦し続けることも大切ではないかと思う。

尾藤 克之(コラムニスト・著述家)

2年振りに22冊目の本を出版しました。

「読書を自分の武器にする技術」(WAVE出版)