「もう会社として終わっている」
札幌ドームは札幌市の第三セクターであり、経営が行き詰まれば市が補助金を出す可能性もある。原資は税金だ。市は23年度予算で札幌ドームへの助成金として1億4000万円を計上していた。前述の「新モード」の設置費用10億円も札幌市が拠出した。今年度、札幌市から補助金を受ける予定はあるのか。札幌ドームはいう。
「今年度は昨年同様、アマチュアスポーツ大会開催支援に係る補助、コンサドーレ開催支援に係る補助を見込んでおります」
地元経済界関係者はいう。
「23年度から日ハムの試合がなくなることは事前にわかっていたのに、何をやっていたのか。社長の会見での発言を聞けば、誰もが『もう会社として終わっている』と感じるだろうし、とても経営者の発言とは思えない。今年度がスタートして3カ月たっているにもかかわらず、黒字化に向けた具体的なプランが何もないというのは、純粋な民間企業ではあり得ず、破綻しても仕方ない。市からの補助というかたちで事実上、税金が投入され続け、毎年赤字を垂れ流し内部留保を取り崩すかたちでずるずると今のまま続けてよいのか。市の決断が迫られている」
地元メディア関係者はいう。
「赤字額は当初予想の2億9400万円の倍以上になり、その主な原因の一つとして広告収入が見込み額の約3億円を大幅に下回ることだとしているが、その広告収入には命名権の販売も含まれており、いかに見通しが甘かったのかを物語っている。札幌ドームは24年度には黒字転換するとしていたが、それを信じる人は少ない。今の状況が続けば、約20億円の内部留保も数年で尽きることになり、札幌市からの助成金というかたちで税金を投入することは世論の理解を得られないため、解体して別の公共施設にするのか、土地や施設を民間企業に売却するということになる。
あと数年で施工から30年を迎え老朽化も問題となってくるので、もし施設ごと民間に売却するなら早急に決断する必要があるが、球場としてつくられたという特殊性もあり、買い手がつくのかは疑問。更地にして土地を売却するのが現実的だが、巨大なスタジアムを解体するには多額の費用がかかり、そう簡単に解体もできない。市にとって、札幌ドームは巨大かつ無駄な負債施設となってしまった」(20日付け当サイト記事より)
(文=Business Journal編集部)
提供元・Business Journal
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