外資系コンサルを取り巻く環境に変化

 外資系コンサル会社へのニーズや、取り巻く環境に変化はみられるのか。また、今後どのように変化していくと考えられるか。

「圧倒的に大きな変化としてはDXとAIが重視されていることです。理屈よりもスピードが重視され、短期間にITを武器に競争力を変化させていくような能力が求められています。ITで大きな変化を起こすためには、地頭力の強い人材で組成された大きなチームが必要とされます。これもMARCH出身者に外資系企業の門戸が開かれるようになったひとつの要因です。若くて学習能力の高い人材なら出身大学は問わない傾向です。そして、この要因は当分の間、続くと考えられます。古い経営ノウハウではなく、AIのように新しい武器を短期間に学習し活用する能力が問われます。コンサルに求められる前提が変化したのです」

 では、働く側からみて、外資系コンサルへの就職はキャリア形成という面でリターンが大きい、つまり将来のキャリア形成にとって大きなプラスになるといえるのか。

「コンサル出身というのは転職市場では間違いなく強い肩書です。何らかのキャリアプランを持っている人にとっては、自分がやりたい新しい仕事に転職するための中間ステップとして、コンサル経験はよいカードになります。一方で、コンサル経験は魔法の杖ではありません。新しいことにチャレンジする考え方や手法を学べる一方で、キャリアに必要な統率力や専門性、決断力といったものはコンサルの現場からはあまり学べないものです。事実、コンサル出身者で企業経営者として成功できている人は多数派ではありません。コンサル経験はあくまでキャリアの中のひとつのステップとして、もっと広い視野でのキャリアプランを設計しておくことが必要だと私は思います」

(文=Business Journal編集部、協力=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)

提供元・Business Journal

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