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対外直接投資と対内直接投資のバランスを見る指標として、両者の差額と比率の国際比較をしてみます。他国は双方向的な直接投資の増加が進む中で、日本は対外直接投資に偏ったバランスのようです。

1. 直接投資残高とは

前回は、先進国各国の対外直接投資残高と対内直接投資残高についてご紹介しました。

どちらもアメリカが圧倒的な水準ですが、中国、オランダなども規模を拡大していて存在感を発揮しています。

日本は対外直接投資はそれなりの規模ですが、対内直接投資が極端に少ないという特徴があるようです。

対外直接投資残高は海外に持つ資産、対内直接投資は海外に負っている負債という見方もできますね。

日本は対外資産を多く持つ国として知られています。

証券投資では資産と負債の多くは相殺していますが、直接投資では対外直接投資が大きく上回っていて対外資産の多くを占めます。(参考記事: 対外資産って何?)

今回は、対外直接投資残高と対内直接投資残高のバランスについて国際比較してみたいと思います。 対外直接投資の方が多い場合は、海外に持つ資産の方が多い事になります。

その分、配当金などでの海外からの所得も見込める事になります。

一方で、その分だけ投資資金が海外に流出しているという見方もできます。

日本の対外直接投資に偏ったバランスが一般的なのか、国際比較して確認してみましょう。