このブログでも触れたことがあるが、ネオアンチゲン特異的なT細胞受容体遺伝子を見つけ、それを患者さんのT細胞に遺伝子導入して、がん細胞を攻撃するT細胞を人工的に作り、治療に利用する方法が、報告された。

7月11日にNature Medicine誌にオンラインで「Adoptive transfer of personalized neoantigen-reactive TCR-transduced T cells in metastatic colorectal cancer: phase 2 trial interim results」というタイトルで報告された。

luza studios/iStock

オブジーボに代表される免疫チェックポイント抗体が効果を発揮するのは、がん細胞に特異的に作られている抗原を目印にがん細胞を殺すT細胞の働きがあるからだ。T細胞にはT細胞受容体があり、それががん細胞の表面にある抗原を認識して結合し、がん細胞を殺す分子を分泌するのだ。シカゴ大学在職中から、このがん抗原を認識するT細胞受容体遺伝子をいち早く見つけ出す方法を確立していた。