ヤマハ発動機株式会社は、2024年7月21日(日)に鈴鹿サーキットで開催された“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会に同社のトップチーム「#1 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(YART)」が、鈴鹿8耐史上最高の220周を走って2位(トップと同一周回)でチェッカーを受け、2004年の鈴鹿8耐参戦以来、初となる表彰台を獲得したと発表した。

猛暑の中で行われた21日(日)の決勝は、ニッコロ・カネパ選手がスタートライダーを務め、序盤はトップを走行するも4番手まで順位を落としマービン選手に交代。そしてこの第2スティント中の30周目に2番手に浮上し、2番手をキープして周回を重ねていった。その後、最終的にトップチームには7.8秒およばず2位となったものの、YARTにとっては初の表彰台獲得となった。次回のEWCは、9月14-15日に開催される最終戦ボルドール24時間となり、ここでYARTは2年連続3度目となる世界チャンピオンを目指している。引き続き同チームの活躍に注目だ。

2024 FIM世界耐久選手権 “コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース 第45回大会 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Teamが2位とし鈴鹿で初の表彰台を獲得

2024年7月21日(日)、三重県の鈴鹿サーキットで“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第45回大会(鈴鹿8耐)が開催され、ヤマハトップチームとして「YZF-R1」を使用し出場した「#1 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team(YART)」が、鈴鹿8耐史上最高の220周を走って2位(トップと同一周回)でチェッカーを受け、2004年の鈴鹿8耐参戦以来、初となる表彰台を獲得しました。
これによりレギュラー参戦する世界耐久選手権(EWC)においても、ライバルとなる「Yoshimura SERT Motul」(スズキ)を逆転しランキングトップに浮上しました。

YARTはウィーク初日の公式予選で、昨年に続き全員が2分5秒台をマーク、かつそれぞれが鈴鹿サーキットでのパーソナルベストを更新し、暫定ポールポジションを獲得しました。続く20日(土)のTOP10トライアルは、マービン・フリッツ選手がヤマハ8耐史上最速タイムとなる2分5秒130をマークし、YARTにとって2012年、2013年(ともに中須賀克行選手)に続く、3度目のポールポジションを獲得し5ポイントを加算しました。

猛暑の中で行われた21日(日)の決勝は、ニッコロ・カネパ選手がスタートライダーを務め、序盤はトップを走行するも4番手まで順位を落としマービン選手に交代。そしてこの第2スティント中の30周目に2番手に浮上。その後は、2番手をキープして周回を重ねます。そして残り30分を切ったところで、トップのチームにピット作業中の違反がありペナルティ(40秒加算)が科せられましたが、最終的に7.8秒およばず2位となったものの、YARTにとっては初の表彰台獲得となりました。また、ヤマハ発動機にとっては、2019年に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」が獲得した2位以来5年ぶりの表彰台となります。
EWCのランキングでYARTは、ポールポジションの獲得による5ポイントとともに、決勝で24ポイントを加え、ランキング2位に6ポイント差をつけトップに立ちました。
次回のEWCは、9月14-15日に開催される最終戦ボルドール24時間となり、ここでYARTは2年連続3度目となる世界チャンピオンを目指します。

#1 YAMALUBE YART YAMAHA EWC Official Team 決勝:2位(220周)

ニッコロ・カネパ選手談
「このレースの唯一のミスは、最初のスティントで最適なタイヤを選べなかったことです。スタートは良かったのですが、すぐにフィーリングが良くないことに気がつきました。そこで作戦を変更し、まずはライバルの前に出て、彼らを逃がさないようにしました。できるだけ抑えたけど後半は難しかったです。
2・3回目のスティントは安定したペースで走ることができました。僕らは後方との差をうまくキープしていましたが、恐らくHRCも僕らとの差をキープしようとしていたので、差が変わらなかったのだと思います。それでも表彰台に立つことができてよかったです。チームとチームメイトに感謝です。ピットワークが素晴らしく、後方のチームのことを考えなくていいぐらい楽にしてくれました。
今年は、ル・マンこそ3位でしたが一番速かったし、スパも圧倒的に強く、鈴鹿もEWCチームではトップになりました。ボルドールのストレートは大変ですが、今年は僕らがこのEWCで最も強いチームだと思うし、チームの雰囲気は素晴らしく、連覇したいと思います」

マービン・フリッツ選手談
「暑さと湿度、最も大変な8耐でした。スティントの最後は集中力が持ちませんでした。頭がクラクラになるレベルでした。でも、ピットストップも速かったしミスもなく、最後まで諦めなかったチームを誇りに思います。自分もとても安定していて、あるスティントではほとんどのラップで、トップとの差が“40秒”と出ていたくらい。それがとても嬉しいことでした。もちろん40秒の差を縮めようと、プッシュしていましたけどね。
最後の2時間はもう2位を確実に取ろうと思っていました。そこでペナルティが出て、カレルにプッシュするように伝えましたが手遅れでした。それでもチームが最大限を尽くして鈴鹿のホームチームと最後まで戦い、最終的に7.8秒差まで追い詰めたのはすごいことです。勝てなかったのは残念だけど2位は素晴らしく、夢の表彰台に立てたし、一番大事なポイントを取れてよかったです。これで6点リードしたので、ボルドールは自信を持って連覇を目指します」

カレル・ハニカ選手談
「キャリアの中で最も大変なレースでした。こういうコンディションでしたから、メンタル的にも早くボックスに戻りたいと考えてしまうぐらいでした。でも、チームは本当に素晴らしい仕事をしてくれていたので、チームをがっかりさせたくなかったから最大限でプッシュしました。最初のステイントはうまくいかず、2回目はよくなりました。そして最後はとにかく無事に終えることに集中していましたが、ライバルのペナルティを知ったのは、残り3ラップぐらいで、勝利のためにプッシュしましたが、もう手遅れでした。
2022年から表彰台を目指してきましたが、今年、ついに辿り着くことができました。鈴鹿の表彰台は格別。世界一のファンがいるからだと思います。本当に楽しかったし、来年、もう一度味わいたいですね。そしてEWCのライバルよりもポイントを取ることができ、目標を達成できました。だけど差は数点しかないので、最後のレースは激しいバトルになると思いますが、連覇のトロフィーを皆さんに届けられるよう100%で挑みます」

マンディ・カインツ監督談
「完璧なレースを行うこと。他チームを意識しないこと。それができたレースです。最初のスティントはカネパらしいものでした。完璧なスタートでレースをリードしましたが、フロントタイヤの選択ミスがあり、スティント終盤に後退してしまいました。また、ここまで暑い状況を経験していなかったこともあり、それまでは簡単に7秒台に入っていましたが、このレースでは8〜10秒台になっていました。ハードで大変なレースをトラブルなしでフィニッシュできたこと自体がすごいことです。
ライバルに40秒のペナルティが出た時はほとんど時間が残っておらず、リスクを承知でプッシュするか、2位を狙うか迷ってプッシュすることを選びましたが、カレルにうまく伝わらず、手遅れでした。
ここ数年は表彰台を獲得できる力があったけどミスもあり届きませんでした。でもようやく今回、私たちの実力に相応しい結果になりました。また今回は、レギュラーメンバーで表彰台を取れたことは素晴らしいことで、ライダーとスタッフ、ヤマハやブリヂストンのおかげです。
最終戦は6ポイント差で迎えます。もうすべてをかけるだけです。正直、ボルドールは苦手なサーキットだけど、昨年はそんなに悪くなかったのでアタックモードで挑みます」

リリース提供元:ヤマハ発動機株式会社