インバウンド価格の料理が高価格である理由

 インバウンド価格の料理は、原価の割には価格が高く設定されているのか。

「高めに設定されることが多いと思います。理由としては、多くの外国人観光客は、

・そのとき、その場限りの時間を過ごす
・料理に見合った適正な価格がよくわからない・旅行ということで財布の紐が緩みやすい

といった点が挙げられます。『せっかく日本に来たのだから、コストをかけてでもいいもの、おいしいものを提供してあげよう』という真面目なお店が、材料費の積み上げから売値を計算した結果、販売価格が高くなるというケースもあるでしょう。お祭りの屋台価格や観光地価格があるのと同じ理由で、インバウンド価格が存在するのだと思います」

 安いほうが、より多く売れるため、あえて割高なインバウンド価格のようなものを設定する必要はないという考え方もあるかもしれない。また、日本人客離れも起こす懸念も感じられるが、飲食店がそのようなインバウンド価格を設定する理由は何なのか。

「理由はシンプルで『そのほうが儲かるから』です。イートインの場合、席数が限られているので『できるだけ高く、より多く売る』ほうが儲かります。ランチタイムに1000円のランチを40食売ると4万円の売上で、1500円のランチを30食売ると4万5000円の売上となります。販売数が減っても売上は増えますし、労力や諸経費も減ったりします。また、店舗の全商品をインバウンド価格にするのはリスクが伴いますが、一部インバウンド価格の商品を用意して、お客さんに選んでもらうのであれば、選択肢は広がり利便性が増すことになります。質のいいものを使ったり、ボリュームを増したり、正当な理由があってお客さんが納得するような高額商品なら、日本人でも選ぶ人もいることでしょう。しかし理由のない『ぼったくり』のような商品でしたら、国内のみならず海外にもインターネットやSNS上の口コミによって悪い評価が広まりマイナス効果が生じるため、適正価格で勝負したほうがよいでしょう」

(文=Business Journal編集部、協力=江間正和/東京未来倶楽部(株)代表)

提供元・Business Journal

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