■「ジャノス人」とは何者か
では、彼らの星ジャノスとはどのような環境だったのだろう。また、なぜ彼らは故郷の惑星を離れ、地球にやって来たのだろうか。
ジャノスは、地球から数千光年離れたところにある、地球によく似た惑星だった。ただし、海よりも陸地の面積のほうが大きく、地球より温暖であるため、氷は存在しなかった。ジャノスは、ザルニアとザトンという2つの衛星を持っていたが、ザトンの軌道がずれてジャノスに近づいてきた。すると次第にザトンは崩壊し、無数の隕石がジャノスに降り注いだ。
ジャノス人は当初、安全な地下に避難しようとした。しかし、隕石のひとつが、とある原子力発電所を直撃した。すると何らかの技術的原因で、その近くにあったほかの原子力発電所が誘爆し、それが繰り返され、ついにはジャノスにあるすべての発電所が破壊されたのだ。
こうして生き残った1,000万人のジャノス人は、放射能で汚染された母星を捨て、巨大な宇宙船で第二の故郷を求めて旅立ったというわけだ。
■古代ギリシャから拉致された人々の末裔!?
ところで、ジャノス人についてはもうひとつ奇妙なことがある。まずは外見が地球人とそっくりなことだ。ジョン一家の身体検査をした際、ジャノス人たちは「心拍数が若干早い点を除き、ジャノス人は地球人と同じだ」と説明した。さらに「ジャノス人が地球に定住すれば、地球人と同じように暮らすだろう」とも述べた。
また、ジャノス、ザトン、アキリアスなど、彼らの用いる名詞が地球のギリシャ語に似ていることも指摘されている。ジョンの一家は、ジャノス人同士がまったく理解できない言語で話しているのを聞いたと証言しているが、もしかしたらギリシャ語に近いものだったのかもしれない。さらに奇妙なのは、ジャノス人の間で、何千光年も離れた地球のことが数千年前から伝えられていたという点だ。そこで、ジャノス人とは何らかの方法で古代ギリシャから連れ去られた人種かもしれないとの説もあるほどだ。
いずれにせよ、1,000万人のジャノス人は太陽系内の着陸許可を待っていると主張したようだが、いまのところ国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などの公的機関がこの問題で動いているという情報はない。他方、恒星間航行も可能な優れた科学力を持つジャノス人である。特定の国家が、その技術力と引き換えに、密かにジャノス人を自国に移住させている可能性も否定できないだろう。なにしろジャノス人は、外見も生理的機能も地球人とまったく同じであり、しかも完璧な英語を習得しているのだ。もしかしたら、我々の周囲にもジャノス人は暮らしているのかもしれない。
※当記事は2015年の記事を再編集して掲載しています。
文=羽仁礼
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提供元・TOCANA
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