世界各地の古代文明に共通して見られる巨石文化。古代エジプト文明のピラミッドやイギリスのストーンサークルが代表的だが、ここで1つの大きな疑問が浮上してくる。一体、古代人はどうやって何百トンもある巨石を動かし、正確に配置することができたのだろうか?

古代人は数百トンの岩を浮遊させる音波技術を駆使していた!? 「音響考古学」は巨石文明の謎を解き明かすのか
(画像=Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

■古代人は音で巨石を浮かしていた!?

 西暦1世紀ごろに築かれたレバノン東部にある神殿「バールベック」には、世界で3番目に大きい岩が使用されており、その重さは1000トンを越えると言われている。エジプトの古代ピラミッドに至っては総重量約600万トンと見積もられおり、東京スカイツリーの地上本体鉄骨重量(4万トン)の約150倍である。

 今日でこそ様々な重機や知識があり、巨石モニュメントを作ることは容易であるが、それらを持たない古代人にはほぼ不可能のように思われる。ここには何かしらの秘密があるはずだ。オルタナティブサイト「EWAO」は、物体を自由に浮遊させることができる、失われた超技術が存在する可能性を指摘している。

 古代遺跡の起源を伝える神話では、このような巨大遺跡の建築者は決まって神々だという。にわかに信じがたい話だが、何らかの神的な力でも働かない限り、これほどの巨石を動かすことは不可能のように見えるのも確かである。

 ストーンヘンジにまつわる伝説には、建築材料となった岩を空中に浮かせて運んだという記述があり、南米ボリビアのプマプンク遺跡にも同様の伝承が残されているそうだ。古代ギリシアの歴史家ヘロドトスは、古代エジプト人も岩を空中に浮かせる技術を神から授かったと書き記している。そして、この技術にはどうやら音が関係しているらしいのだ。そして、実際に音で物体を浮かすことは可能である。

古代人は数百トンの岩を浮遊させる音波技術を駆使していた!? 「音響考古学」は巨石文明の謎を解き明かすのか
(画像=ブリストル大学が開発したデバイス「YouTube」より引用,『TOCANA』より 引用)

 たとえば、英ブリストル大学の研究者らが開発したデバイスには複数のスピーカーが仕込まれており、これから発生する音で小さな物体を浮かすことができる。米・アルゴンヌ国立研究所でも、音を使って水滴を浮かすことに成功している。