1961年、ボストークロケットに搭乗し、人類初の宇宙飛行を成功させたとして知られているソ連出身の宇宙飛行士ユーリィ・アレクセーエヴィチ・ガガーリン。「地球は青かった」というフレーズでも有名であり、ソ連の宇宙開発に無くてはならない存在ともなった人物であったものの、1968年の飛行訓練中の事故によって34歳という早すぎる死を迎えることとなった。
人類初という偉業を成し遂げた彼は、世界的な英雄としてソ連では貴重な存在と見なされていた。だが、それが逆に彼の希望を遠ざける要因にもなってしまった。そもそも宇宙飛行計画というのは生命を危険に晒す可能性がきわめて高い事業である。あまりにも有名になりすぎてしまったため、彼は宇宙飛行のミッションから外されてしまったのだ。
海外巡業を延々と続けていた彼は健康に障るようになり、体重も増えてしまうこととなった。このことは、彼にとって「もう二度と宇宙飛行することが出来ないのではないか」という悩みの種にもなり、鬱病に苦しみ飲酒量も増えたといわれている。ついにはアルコール依存症となってしまい、ある時にはホテルのバルコニーから飛び降りて顔面を骨折してしまうという醜態まで晒してしまうこととなった。
実は人類初の宇宙飛行はガガーリンではないという都市伝説が存在している。その噂によれば、ガガーリンの宇宙飛行よりも前に数件もの死亡事故が発生しており、ソ連の指導部が彼らの不幸な最期をもみ消しているのではないかというものだ。
最も有名なものに次のようなものがある。ソ連の伝説的な航空機設計者セルゲイ・イリューシンの息子であるウラジーミル・イリューシンが、本当は初めての宇宙飛行を成し遂げたものの、何らかの想定外の事態が発生したことによって地上に戻り、その際中国の領土に不時着してしまったことによって、ソ連の宇宙計画について聞き出そうとする中国軍の捕虜になってしまったというのである。
この他にも、初の宇宙飛行士が着陸に失敗して大きな障害を負うことになり、ソ連政府がこれを交通事故と隠蔽したのではないか、といった噂も広まった。1999年には『宇宙飛行士隠蔽』という映画が公開されたこともあって、この疑惑が再燃したという事態も発生している。ただ、このガガーリン以前の初の宇宙飛行士といういわば陰謀論は、明確な証拠があるわけではない。何より、当の息子イリューシンはソビエト軍で少将にまで登り詰め、2010年にモスクワで死去しているという。
ただし、ガガーリンの宇宙飛行よりも前に、宇宙飛行士候補だった人物が実験中の事故で死亡したという事件は実際に存在していた。ソ連の戦闘機パイロットであったヴァレンチン・ワシリェヴィチ・ボンダレンコは、およそ15日間に渡る低圧耐久実験に参加しており、その実験中の火災によって火傷を負いそれが原因で亡くなっている。
このガガーリン以前の隠蔽された初の宇宙飛行士といういわば都市伝説は、実際に実験で発生したという事故の記録と、加えてガガーリンよりも前に無人飛行で飛ばした人間を模した(通信実験のために人の声を録音したテープもつけた)マネキンの影響によるものではないかと言われている。
ガガーリンは、1968年3月に搭乗していた戦闘機で事故を起こし亡くなっているが、実はこの事故の原因はいまだにその真相が判明していないという。これについては、ガガーリンと同乗していたパイロットが発作によって倒れ込んでしまった、エンジンが故障した、音速のジェット機が戦闘機を横切ったことによって機体が制御できなくなった、などさまざまな説がある。中には、人類初の宇宙飛行という宇宙侵略が進行したことで宇宙人に報復されたのではないかとの説までみられたという。
一説ではあるが、彼が来日した際に対談を行なった工学者糸井英夫は、彼の受け答えが不自然であったために替え玉の人物であったのではないかと疑ったという逸話もあるという。ともすれば、ガガーリンはソ連軍が何らかの機密事項を彼に知られたため、それが一般に知れ渡る前に”意図的に”消されたというシナリオすら考えられるのだが、当然これはあくまで都市伝説であることを了解していただきたい。
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文=ナオキ・コムロ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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