長い歴史を持つタイトル特有の難しさ

 スクエニの業績は悪くはない。24年3月期は特損を計上するものの、売上高は前期比4.9%増の3600億円、営業利益は同24.1%増の550億円、経常利益は同0.5%増の550億円、純利益は同21.8%減の385億円となる見通し。

 一方、前述したFF16とドラクエをめぐる動向に加え、FF16がリリースされた年度でありながら最終減益予想となっていることもあり、SNS上では以下のような声が目立つ状況となっている。

<ドラクエ、FFなんだから買うんでしょ?みたいな態度が舐めすぎた>

<ゲーム屋なのにグラと曲と広告でゲームを売ろうとしている なぜゲーム部分で勝負しないのか>

<世の時勢を無視して開発者(P/D)の意地を優先して作ってる>

<みんなが期待しているシリーズの新作に全く予算掛けずに全てFFにぶっこんでる>

<スタッフがやって楽しいゲームを作るって部分からかけ離れている>

<ゲームとしての本質的な面白さを追求せずに、映像面ばかりにこだわって自滅してるような気がしてる>

<家庭用はスクエニは大作思考で開発コストとリターンが難しい>

<「3Dムービー凄いリアルで綺麗」がやりたいだけ>

 こうした声があがる背景について岩崎氏はいう。

「大前提として、FF16をはじめスクエニのタイトルは非常にクオリティが高く、プレイ自体も楽しいですし、ファンが多いのは事実です。FFとドラクエのように長い歴史を持つタイトルには、初期の頃からいるファンと新規のファンの両方に目配せしながら開発を進めなければならないという特別な難しさがあります。長いファンを裏切らないように意識しつつ、新規ファンも満足させなければならないため、どうしてもいろいろな評価が寄せられることになってしまいます」

(文=Business Journal編集部、協力=岩崎啓眞/ゲームプロデューサー、ゲームライター)

提供元・Business Journal

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