香港を代表する映画俳優、監督、そしてスタントマンといえば、ジャッキー・チェンを置いて他にはない。ハリウッドで活躍するアクションスターとしても知られ、『プロジェクトA』など数々の映画に出演し高い人気を誇る。ウッチャンナンチャンの内村光良は、コントにて彼のアクションをオマージュするほどに熱烈なファンであり、また、「マジンガーZ」の兜甲児役を担当した声優の石丸博也は、なんと本人公認で吹き替えの担当を行なっている。
ジャッキー・チェンの目玉と言えば、なんといってもそのアクションである。自身の演じる役においては殆どといって良いほどスタントを使わず、生身でアクションを行なっているということは非常に有名だ。彼の映画では、エンディングクレジットにおいてNGとなったアクションシーンが流れることが半ば恒例となっているが、本編以上に衝撃的な映像が多いことも珍しくはなく、実際に何度も大怪我をしているほどであるという。
例えば、『プロジェクトA』にて18mもの高さがある時計台からの落下シーンは、NGを合わせて3回撮影が行なわれているものの、この撮影で彼は頸椎を損傷している。NG後には、さすがの彼も落下する決心を付けることが出来ず、撮り直しまで数日かかったそうだ。また、『ポリス・ストーリー』のラストで電飾ポールを下る場面では、大量の火花が飛び散り両手を大火傷し、『WHO AM I?』では、高層ビルのガラス張りの天窓を滑り降りたという。
彼の映画の魅力の一つにもなっているNG集であるが、わざわざ流す理由は「子供たちにマネをしないで欲しい」からであるそうだ。彼曰く、自分もスーパーマンじゃないんだよというメッセージであるそうだが、その前にできるわけがないというツッコミが飛び交うことだろう。
自身の肉体をフルに活用したアクションで知られる彼は、その一方で自身が率いるスタントチームを有している。彼らは「成家班」と呼ばれており、ジャッキー・チェンを影で支える、また彼に引けを取らないスタントアクションを行なう精鋭たちで構成されているという。
武術によるアクションもふんだんに取り入れている彼の作品であるが、その掛け合いにはなんといっても息のあったテンポが必要不可欠だ。それを可能にすべく、普段から共にトレーニングを経たスタント俳優たちによるチームを結成するに至ったと言われている。
彼らは、通常のスタントとは異なり、作中で人物名を持つ俳優として出演する者も多い。驚くべきことに、彼らはスタントするよう指示をされると、命にかかわるような内容であっても必ずそれを実行しなければならず、「なぜ」と尋ねることは許されないという。
因みに、先述した『プロジェクトA』における時計台の落下シーンでは、2度目の落下で頸椎を損傷した彼に代わり成家班のメンバーの一人が別アングルの撮影として飛んだという。実は3度飛んだうちの1回は、スタントによるものであったのだ。
かつては、安全対策もろくになされていなかったというスタントの歴史を振り返ると、そうしたジャッキー・チェンの作品もまた別の味わいができるかもしれない。しかし、文字通り彼らは「特別な訓練を行なっている」存在であるため、ジャッキー・チェンも言う通りくれぐれも安易に真似をしないよう気を付けて欲しい。
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【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
文=黒蠍けいすけ(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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