2024年4月、「美しいけれど自殺願望がある…これをチェックせよ」というタイトルの動画が海外の動画共有サイト「TheWorldWatch」に投稿された。

 この動画には、高層ビルの上階で、美女が男性に腕を掴まれた状態でぶら下がっている様子が映っている。彼女は命綱を装着していない。2人の姿を撮影するカメラのシャッター音も聞こえる。確かに美しい映像ではあるが、転落死のリスクと隣り合わせであることは間違いない。

 実は、この動画は2017年1月26日にYouTubeに投稿されて話題となったものだ。動画に映る美女は、Instagramで500万人以上のフォロワーを有するロシア人モデル、ヴィクトリア・「ヴィキ」・オディントコヴァさん(当時22歳)。彼女は、アラブ首長国連邦ドバイにある高さ約300メートルで73階建ての超高層ビル「カヤンタワー」の屋上で、命懸けのスタントに挑戦したのだ。

美女が高層ビルの屋上で命懸けの撮影! 転落死のリスクと隣り合わせのスタントで彼女が得たものは?
(画像=画像は、「TheWorldWatch」より、『TOCANA』より 引用)

 オディントコヴァさんは、男性アシスタントとカメラマンとともにカヤンタワーに無許可で侵入し、スタント映像を撮影した。そのため、カヤンタワーを所有する「Cayan Real Estate Investment and Development」社は、オディントコヴァさんらに対して、不法侵入に基づいて訴訟を提起した。同社のディレクター、ギゼル・ダーヘル氏は、オディントコヴァさんらに何かあった場合、自社が責任を問われる可能性があったとし、セキュリティを見直すことを発表した。

 一方、オディントコヴァさんは、Cayan社から訴訟を提起される理由はなく、カヤンタワーにセキュリティの弱点を明らかにしたのだから、むしろ感謝されて然るべきだと反論した。彼女らは、警備員にも止められることなく、屋上で40分間を過ごしたという。「私たちは何の悪意もなくビルの屋上にいましたが、他の誰かが自殺やテロ行為をするためにそこへ出てくる可能性がありました」とも述べた。

 ドバイ警察は、市内で同様の危険行為を二度と繰り返さないことを約束させる同意書をオディントコヴァさんに送付した。

美女が高層ビルの屋上で命懸けの撮影! 転落死のリスクと隣り合わせのスタントで彼女が得たものは?
(画像=画像は、「TheWorldWatch」より、『TOCANA』より 引用)

 2017年1月26日に公開された動画のコメント欄は、オディントコヴァさんの容姿と勇気を評価する意見と、注目を集めるための愚かな行為であると彼女を非難する意見に分かれた。オディントコヴァさん自身は、ドバイの「評判を傷つけたくなかった」し、「ドバイでこのような危険なことを二度と繰り返すつもりはない」と述べ、自分と同様の行為を繰り返さないように世界中に呼び掛けた。

 オディントコヴァさんは命懸けのスタントによってさらに知名度を上げた。露メディア「Sputnik News」は2019年12月、彼女が有名なスポーツ選手3人(サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドさん、F1ドライバーのルイス・ハミルトンさん、サッカー選手のネイマールさん)と交流していることを報じた。英紙「The Sun」の2023年7月の記事によると、彼女はハミルトンさんやネイマールさんとはメッセージのやり取りをしているが、ロナウドさんとは縁を切ったという。

 一方、オディントコヴァさんのように高所で危険な撮影に挑戦した人々が死亡する事故が世界各地で頻発している。英語版Wikipediaには「セルフィー関連の負傷と死亡のリスト」という項目が作成されたほどだ。自己顕示欲と承認欲求は時として破滅へとつながる。自らの命と知名度を天秤にかけるのは、決して賢明とはいえないだろう。

参考:「Sputnik News(2017年2月22日付)」、「Sputnik News(2019年12月28日付)」、「The Sun」、ほか

文=標葉実則

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提供元・TOCANA

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