世界に心霊スポットは数あるが、アメリカには忌まわしい伝説と恐ろしい幽霊の噂、そして異次元につながるという不思議な橋が存在する。英「Daily Star」が報じている。
■エイボンの幽霊橋
インディアナポリス州ヘンドリックス郡エイボン。州都インディアナポリスにもほど近い閑静な街に、不気味な噂の流れる橋がある。その橋はエイボンの街の入り口、郡道とホワイトリック川をまたぐ古くて立派な鉄道橋である。足元にある緑の多い公園からの眺めは雰囲気があり、ちょっとした観光スポットにもなっている。
鉄道橋は1907年ごろに建設されたもので、長さは約90メートル、高さは21メートルほど。エイボンのランドマークとして愛されている一方、この橋は幽霊橋としても知られている。夜になると幽霊が現れたり、不思議な声が聞こえるといった奇怪な噂が絶えないのだ。
心霊現象の原因として語られているのは、この橋を建設するときに起きた不幸な事故だ。 労働者の一人ヘンリー・ジョンソンはある夜、建設中の橋で足を滑らせ、まだ柔らかいコンクリートの中に落ちてしまった。哀れなジョンソンは翌朝、コンクリートの中で固まった状態で見つかったそうだ。彼以外にもアイルランド人や黒人の労働者たちが建設中に事故死した記録が残っているという。
噂によると、コンクリートに落ちて死んだ労働者たちの遺体は掘り出されることなく、現在も橋の中に埋められたままになっている。そして、橋の上を鉄道が通るたび、彼らの魂は目覚めるのだという。 また、この橋では夜になると女性の悲鳴が聞こえるという噂もある。噂と共に語られるのは、ある母子の悲劇である。
ある夜のこと、病気の赤ちゃんを医者に見せるため、橋を横切って渡ろうとした女性がいた。だが彼女は線路の連結部分に足をとられてしまった。さらに間の悪いことに、彼女がもたついている間に機関車が近づいてきていた。渡りきれないと思った彼女は子供を抱え、一か八か橋から飛び降りた。女性は助かったものの、赤ちゃんは母親の腕から滑り落ちて死んでしまった。わが子を失い悲嘆にくれた女性も、数週間後に死んでしまったという。目の前で子どもを失った母親の悲鳴が今でも響いているのだろうか。