テレビ業界関係者の勘違い

 テレビ業界関係者も勘違いも影響しているという。

「いまに一般人はみんなテレビに出たがっていると勘違いしている業界人が多いが、街頭で一般人へのインタビュー撮りなどをしているとわかるが、そう思っている人などいない。『一言だけ撮らせていただけますか?』と声をかけても無視されるのが大半で、すれ違いざまに“マスゴミ”と言われることも多い。

 テレビ局の姿勢も悪い。報道番組では街頭インタビューに応じてくれた一般人の顔は映してよいというルールにして、取材後にその人に『顔出しOK』の承諾を得る署名にサインしてもらうという手続きを踏んでいない番組も多い。『報道番組の取材に応じてくれたということは、顔を映しても構わないということ』と勝手に解釈しているからだ。その点はバラエティのほうが、のちのちトラブルにならないようしっかり対応している」(テレビ制作関係者)

 そもそもテレビ業界が多くのスタッフの無理な働き方を前提に回っていることが、協力者への非常識な対応を招いているとの指摘もある。

「編集作業を24時間単位で行うのは業界では普通のこと。週1回放送の1時間モノのレギュラー番組だと、まずスタジオ収録本番で出演者が見るVTRを事前に収録して編集するが、その編集作業に24時間かける。その後、スタジオ収録を行い、その素材をもとに24時間の編集作業を2~3回やるという感じ。20分くらいのVTRをつくるのに、まずディレクターが自分のPCで編集してから局の編集室に入り、編集マンと一緒に24時間かけてテロップや特殊効果、音を入れていくということも珍しくない。

 編集マンは24時間でいったん作業が終わるが、ディレクターは局のプロデューサーからチェックを受けたりと他の仕事もあるため、納品まで延々と仕事が続く。一般的に週1のレギュラー番組だと、ディレクターが4人いて1人あたり月1回の放送分を担当するかたちだが、ディレクターは複数の番組を掛け持ちしているので、2~3日ぶっ続けで仕事をして何日も家に帰れないというのはザラにある。私が過去に4本掛け持ちしていたときは、番組1本あたり24時間の編集作業が2~3回あり、それが月4本入るので、半年くらい休みがなかった。

 地獄になるのが特番だ。2~3時間モノの特番でもVTRやロケの収録が放送日の1週間前というのはザラで、放送時間が長い分、編集作業も長くなるので、1回24時間の編集作業を何回もやることになる」(テレビ制作関係者/5月1日付け当サイト記事より)

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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