内閣府は19日、2024年度の国内総生産(GDP)成長率が物価変動の影響を除く実質で前年度比0.9%になるとの試算を経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)に報告した。1月に決定した政府経済見通しでは1.3%と予測していたが、自動車メーカーの認証不正問題の影響を踏まえ、下方修正した。

 首相は今後の景気動向に関し、「円安に伴う物価上昇の影響などには注意が必要だ」と指摘。「物価水準が高まる中で、きめ細かい支援を講じていく」と強調した。

 内閣府によると、認証不正に伴う車の出荷停止で個人消費が落ち込み、24年1~3月期の成長率が1月時点の想定を下回った結果、4月に始まる24年度の見通しが下振れしたという。

 項目別では、個人消費の予想を前年度比0.5%増(1月時点1.2%増)に引き下げた。住宅投資も資材価格高騰などの影響を踏まえ、2.7%減(同0.3%減)に下方修正した。一方、企業の設備投資は3.3%増、輸出は3.0%増で、ともに据え置いた。

 金額ベースで見た実質GDPの規模は564兆円(同568兆円)に下振れするが、過去最高を更新する見通し。 

 消費者物価指数(生鮮食品を含む総合)上昇率の見通しは、円安などの影響を考慮し、2.8%(同2.5%)に修正した。8~10月に再開する電気・ガス代補助金や、年末までの延長が決まったガソリン代補助金により、0.5ポイント程度の押し下げ効果があると見込む。

 新たに示した25年度の成長率の見通しでは、物価上昇が落ち着いて消費が回復することなどを見込み、実質GDP成長率を1.2%と試算した。個人消費は1.0%増、設備投資は3.4%増と予測している。

◇内閣府試算の経済見通し
        2024年度   25年度
実質GDP  0.9( 1.3)  1.2
個人消費   0.5( 1.2)  1.0
住宅投資  ▲2.7(▲0.3) ▲0.4
設備投資   3.3( 3.3)  3.4
輸出     3.0( 3.0)  ―
内需寄与度  0.9( 1.4)  1.1
外需寄与度 ▲0.0(▲0.1)  0.1
名目GDP  3.0( 3.0)  2.8
消費者物価  2.8( 2.5)  2.2
(注)寄与度を除き前年度比伸び率%、カッコ内は従来見通し。▲はマイナス、―は非公表(了)
(記事提供元=時事通信社)
(2024/07/19-12:27)

提供元・Business Journal

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