不正競争防止法

 山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士はいう。

「残念ながら、『漏洩した個人情報』を悪用すること自体を取り締まる法律はありません。しかし、こういった『個人情報』が営業上有用な情報として管理されているような場合、法律上の『営業秘密』に該当する場合があります。要するに、不正競争防止法第2条6項が定める『営業秘密』であるような場合は、不正に漏えいされた情報を、不正に漏えいした情報であることを知りながら取得し、これを使用すると、不正競争防止法2条6項5号に該当しますので、場合によっては同法21条1項3号の規定により10年以下の懲役刑や2000万円以下の罰金刑等に処せられる可能性もあります(刑罰適用の要件は厳格のため、必ず適用されるわけではありません)。いずれにせよ、ふざけた行動です。漏えいされた情報を『違法なもの』と認識する能力が欠けた人間がすることです。刑罰の適用が困難でも、社会に晒して制裁をあたえるべきでしょう」

(協力=水島宏明/上智大学教授、山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)

●水島宏明/上智大学文学部新聞学科教授 1957年生まれ。東大卒。札幌テレビで生活保護の矛盾を突くドキュメンタリー「母さんが死んだ」や准看護婦制度の問題点を問う「天使の矛盾」を制作。ロンドン、ベルリン特派員を歴任。日本テレビで「NNNドキュメント」ディレクターと「ズームイン!」解説キャスターを兼務。「ネットカフェ難民」の名づけ親として貧困問題や環境・原子力のドキュメンタリーを制作。芸術選奨・文部科学大臣賞受賞。2012年から法政大学社会学部教授。2016年から上智大学文学部新聞学科教授(報道論)。著書に『内側から見たテレビ やらせ・捏造・情報操作の構造』(朝日新書)、『想像力欠如社会』(弘文堂)、『メディアは「貧困」をどう伝えたか:現場からの証言:年越し派遣村からコロナ貧困まで』(同時代社)など多数。

提供元・Business Journal

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
地元住民も疑問…西八王子、本当に住みやすい街1位の謎 家賃も葛飾区と同程度
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
現役東大生に聞いた「受験直前の過ごし方」…勉強法、体調管理、メンタル管理
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?