■各県警がネットの投稿を警戒

言うまでもなく痴漢は相手の尊厳を踏み躙る卑劣な行為で、言語道断である。「受験シーズンだから」などと時期を限定するのでなく、いついかなる時も起きてはならない犯罪行為だ。

しかし、直前に大切な試験を控えている受験生が被害に遭えば、試験時の平常心やメンタルを保つことも困難となり、二重三重の苦しみに陥るのは間違いないだろう。

X(旧・ツイッター)上では「大事なときに不愉快な思いをさせないでほしい」「むしろ犯罪者を取り締まるチャンスデーにならないかな」「受験生の心理につけ込む最低の行為でしょ」「考えただけで許せない」など、怒りの声が相次いでいた。

警視庁、および各都道府県警のXアカウントでは「痴漢」「チャンスデー」といったワードを含む投稿に目を光らせ、該当ポストには警告のリプライを送っている。痴漢行為を煽るような投稿は、厳に慎むべきである。

■万が一被害に遭った場合も…

「大学入試センター」もこうした事態に対策を講じており、「令和6年度大学入学共通テストQ&A」の中で「試験場に向かう途中に生じたやむを得ない事由として、追試験の対象となります。このような場合は、速やかに受験票に記載されている『問合せ大学』に電話連絡を行ってください」と、説明。

これを受けて「内閣府男女共同参画局」のXアカウントも「痴漢は重大な犯罪です。もし、共通テストの会場に行く途中に痴漢の被害にあった場合は、追試験の対象となります。共通テストは私服でも受験できます。痴漢被害にあったり目撃したときは、周りの人に助けを求め、110番してください」と、アナウンスをしている。

全ての受験生が痴漢の被害に遭うことなく、試験を終えられることを願うばかりだ。

※記事内の画像は過去の試験時のものを使用