2014年に忽然と姿を消したマレーシア航空370便消失事件は、今なお確たる証拠も見つからないという航空史に残るミステリーだ。現在でも破片や機体が見つかったとする報告はあがってくるのだが、衛星写真に写り込んでいる上に人跡未踏の地に落ちていることが多く、なかなか検証できない状況にある。
そんな中、オーストラリアの漁師が「マレーシア航空370便が謎の失踪を遂げてからわずか数カ月後に、その翼と思われるものを発見した」という証言をして注目を集めている。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙の取材に応じた漁師のキット・オルバー氏は、2014年秋に彼と3人の乗組員がオーストラリア南部の沖合34マイル付近で操業していたとき、トロール網が非常に大きなものを引っ掛けたため漁船が歪んでしまったと語る。 奇妙な障害物と格闘しながら、彼らはついにその物体を浮上させることに成功。その物体はなんと「それは大型ジェット旅客機の血まみれの大きな翼だった」とオルバー氏は振り返る。
その日、一緒に漁に出ていた乗組員たちからも同様の証言は寄せられており、その一人であるジョージ・カリー氏はその物体について「信じられないほど重く、厄介なもの」であったと説明。その一方で、自分たちが引っ掛けたものが何であったかに疑いの余地はなかったとも述べている。
「見た瞬間、それが何であるかわかった 。それは明らかに民間機やジェット機の翼か、その一部だった。網から出す方法を探したが無理だった」
漁師たちは巨大な翼とおぼしき鉄の塊を引き上げようとしたが、何時間格闘してもこの不可解な破片を網から取り出すことができず、疲労がピークに達した彼らは結局、網から切り離すことを選んだ。
彼らは港に帰ってすぐ、この奇妙な出来事をオーストラリア海上安全局に報告したが、問題の物体について「おそらく、事件が起きたあたりの海に落下したロシアの輸送用コンテナに関連しているのだろう」と説明を受けたという。 この説明に疑問を抱いていたオルバー氏は3年後の2017年に再び海上安全局に連絡を取ったが、今度は何の回答も得られなかったという。
オルバー氏は、10年近く当局に自分の話を却下されたり無視されたりしてきたが、ついに自分の発見したものの真偽を世界に伝えることにしたと語る。 その背景には、自分たちが発見した重要なものを廃棄してしまったことに対する良心の呵責を晴らせるかもしれない、という意図もある。しかし、彼らは今でもその海域と座標を覚えているため協力は惜しまないと語っている。
失われたマレーシア航空370便の翼を探す手段と意欲を持つ誰かが本当に捜索に向かうかどうかはまだわからない。しかし、座標が判明しているだけに引き揚げの可能性は高いとみられている。
関連記事:Coast to Coast AM 【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】
文=加藤史紀(ミステリーニュースステーションATLAS編集部)
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提供元・TOCANA
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